「いい姿勢でお話を聞きましょう」
と学校で注意されたことはありませんか?
「いい姿勢で授業を受けましょう」、「先生のお話をいい姿勢で聞きましょう」
と一度は言われたことのある方が多いと思います
けれど なぜいい姿勢が大切なのか?
ということは教わらなかった方が多いのではないでしょうか
お話しを聞く上での礼儀、だらしがないから、ではなく実は「いい姿勢」というのは子どもの正常な身体の発育にとって、とても重要なことなのです
目次
姿勢と歯並びの関係
姿勢が悪いと歯並びも悪くなる。この言葉を聞いて「なるほど!」とすぐに納得される方は少ないかと思います。
『姿勢』は一見歯並びと何の関連もないように思えます。ですが実は成長期のお子さんにとって姿勢は全身の成長に影響を及ぼすもので、体の一部である『歯』も例外ではないのです。良い姿勢がその子の本来あるべき歯並びにしてくれます。
歯並びが悪くなるのはなぜか
歯がどうやって並ぶのか皆さんご存知ですか?
歯は舌と唇のバランスが取れた場所に並びます。実は歯並びが悪くなる原因はお口の力のバランスが乱れることなのです。
不正咬合(噛み合わせが悪い歯並び)には様々なパターンがあり状態によって原因も様々ですが、特に関連しているものが舌と唇の筋力のバランスです。舌と唇、どちらか一方の力が弱すぎたり強すぎたりすると歯並びは乱れてしまいます。またお口の力のバランスが乱れ顎の拡大を促す役割を持つ舌の位置が悪くなることで顎が上手く成長せず、歯が生えてくるスペースがなくなり歯が重なり合いガタガタになってしまいます。
姿勢が悪いとなぜ歯並びが悪くなるのか
お口の力のバランスが崩れてしまう原因の一つに姿勢があります。成長期のお子さんの身体は姿勢によって良くも悪くも作られます。
悪い姿勢が常態化してしまうと、成長期のお子さんとっては体が作られる時期であるため、体の筋肉がつくバランスが崩れてしまいます。お口周りも沢山の筋肉で出来ています。基本となる身体のバランスが崩れてしまうとお口周りの筋肉のバランスも崩れ、歯並びにまで影響してしまいます。
歯並びを悪くする生活習慣
【姿勢】
猫背、反り腰、頬杖、うつぶせ寝
【口呼吸】
運動時以外は鼻で息をしている状態が正常です
【食習慣】
食事中の姿勢が悪い、前歯を使っていない、良く噛んでいない
【お口の癖】
指しゃぶり、爪を噛む癖、唇を噛む癖、舌を噛んだり吸ったりする癖
遺伝による不正咬合は全体の約5%
近年歯並びが悪い子どもが統計的に増えています。その原因は生活習慣にあります。遺伝による不正咬合の割合は全体の約5%と言われており、歯並びが悪くなる原因の多くは生活習慣によるものです。
現代の遊びの在り方や、食習慣の変化が子どもの身体的な成長にも影響を与えています。
高齢になっても歯の本数を保てるか?
8020運動というのはご存じでしょうか?これは厚生労働省と日本歯科医師会が推進している『80歳になっても自分の歯を20本以上残そう』という運動です。
8020を達成している方は年々増えていますが達成者の歯並びを調査した内容によると正常咬合者(かみ合わせが良い方)の達成率はきわめて高く、反対に不正咬合者(かみ合わせの悪い方)の達成率は非常に低かったそうです。噛み合わせに問題がある場合一部の歯に負担がかかってしまったり、歯磨きがしにくいことによって虫歯や歯周病のリスクが上がってしまいます。これらの問題が歯を失う要因になります。
長く自分の歯を保ちいつまでも豊かに食事を楽しむために不正咬合も予防していきましょう。