こんにちは!天白区のいちろう歯科です。
現在、世界中で売られている歯磨き剤のなんと90%以上にフッ素化合物が配合されています。フッ素にむし歯予防の効果があるのは皆さんご存知ですよね!
目次
フッ素の効果
①歯を強くする
エナメル質の結晶構造を強化し、酸に溶けにくくします。
②再石灰化
溶けた歯面にカルシウムやリンを補います。穴があく前の初期虫歯に効果があります。
③むし歯菌の働きを抑制
歯磨きで落としきれなかったプラーク中のむし歯菌の働きを弱め、むし菌が歯を溶かすときに出す酸を減らします。
では、普段使っている歯磨き剤のフッ素濃度まで分かる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
市販の歯磨き剤のフッ素濃度
お手元の歯磨き剤を見ていただくと、おそらく1000ppmや1500ppm(それに近い数値)が記載されてあると思います。
今まで日本で販売できるフッ素入り歯磨き剤の上限は950ppm(1000ppm)でしたが、2017年に厚生労働省の認可がおり、1500ppmまで引き上げられました。(このコラムを読んでくださっている方は皆さん1450ppmだったでしょうか?)
それを受けて2023年1月、う蝕や治療を専門とする4学会「日本口腔衛生学会 ・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会」合同でフッ素の推奨濃度変更が発表されました!
https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230106.pdf
改定後のフッ素濃度
★ 変更点を簡単にまとめると
5歳までは1000ppm
歯の生え始め~2歳は米粒程度(1~2㎜)
3歳~5歳はグリンピース程度(5㎜)
6~14歳は大人と同じく1500ppm
歯ブラシ全体(1.5~2cm)
2017年以降は成人のみ1500ppmでしたが、6歳から大人と同じフッ素濃度でいいと言われると最初は驚かれると思います。
ただ、世界保健機構(WHO)や国際歯科連盟(FDI)は早くからこれらの濃度を推奨しており、すでに海外ではごく一般的な数値です。個人的に日本もまだかと首を長くして待っていたので、改訂され正直安心しています。
いちろう歯科は改訂前の低濃度(500ppm)のフッ素入り歯磨き剤も引き続き販売しております。
特に小さなお子さんは好みのフレーバーが決まっていることも多いので、無理をして変えずに歯磨きを楽しむことを優先していただきたいです。
また、使われる歯磨き剤に迷われた方は、お気軽に歯科衛生士に相談下さいね!
歯科医院で使用されるフッ素濃度
最後に、今回は”歯磨き剤に含まれる”フッ素濃度について着目しましたが、歯科医院での定期的なメンテナンスで使用される濃度はいくらでしょうか?
いちろう歯科では予防処置の最後に【9000ppm】のフッ化ナトリウム(商品名フルオールゼリー)を高校生までのお子さんに塗布しています。ご家庭での歯磨き剤と比べるとおよそ6~9倍の濃度になります。
むし歯予防はフッ素から
ご家庭でのフッ素配合歯磨き剤の使用は、虫歯予防の基本です。
さらに数ヶ月に一度、歯科医院で歯面清掃を行った後、高濃度のフッ化物塗布することで、相乗的にむし歯予防効果を高めることができます。
大切な人の歯を守るため、プロによる検診・クリーニング等の予防処置に加え、日々の適切なフッ素利用で丈夫な歯を目指しましょう。
ぜひ今一度、ご自宅にある歯磨き剤のフッ素濃度をご確認下さい。