こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザライン治療中の食事には、いくつか注意すべき点があります。たとえば、インビザライン装着中は水のみ摂取が可能とされていますが、それ以外の飲食物を摂取する場合、マウスピースを外さなければなりません。
今回は、インビザライン治療中の食事に関する注意点について解説します。
目次
インビザラインをつけたまま食事はできる?
基本的にインビザラインをつけたままの食事は禁止されています。理由は、以下のとおりです。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
インビザラインをつけたまま食事すると、食べ物の残りかすがマウスピースと歯の間に詰まることがあります。ふだんは、歯につく汚れも唾液の作用で虫歯や歯周病を予防していますが、インビザラインが装着されていると唾液が歯の表面に十分に行き渡らず、細菌が活発になるおそれがあるのです。
インビザライン治療中に虫歯になってしまうと、歯を削ることによって作製したマウスピースが合わなくなることもあります。治療期間がのびるだけでなく、追加で治療費もかかるでしょう。
虫歯や歯周病の原因は歯の汚れのため、食事のときはインビザラインを外し、口内を清潔に保つことが重要です。
マウスピースが変形・破損する可能性がある
人の噛む力は、その人の体重くらいあるといわれています。インビザラインで使用されるマウスピースの厚さは0.5㎜しかありません。そのため、インビザラインをつけたまま食事すると、噛む力によってマウスピースが変形するリスクや壊れるリスクが高まります。
インビザラインは細かな計算に基づいて作られているため、少しの変形でも治療の進行に影響をおよぼすことがあるのです。
前述したように、インビザラインの再作製には期間も治療費もかかります。治療を計画どおりに進めるためには、マウスピースを丁寧に扱うことが大切です。
インビザラインが着色する場合がある
インビザラインをつけたままの食事は、マウスピースの変形や破損のリスクだけでなく、着色の可能性も考えられます。特に、カレーやコーヒーのように歯に着色しやすいものは、マウスピースに色をつける可能性が高いです。
インビザラインの最大のメリットは、矯正装置の目立たなさです。透明なマウスピースの使用により、見た目を自然に保ったまま矯正治療を進められるのがインビザラインの特長といえます。
しかし、マウスピースが着色すると、矯正装置が目立つようになります。場合によっては、不潔な印象を与えることもあるでしょう。
インビザライン治療中の食事に関する注意点
ここまで、インビザラインをつけたまま食事することのリスクについて解説しました。
次に、インビザライン治療中の食事に関する注意点についてご紹介します。
装着前に歯磨きする
食後は、インビザラインを再びつける前に歯磨きを忘れずに行いましょう。
食後の歯磨きを怠ると、歯に付着した食べかすがマウスピースの中で細菌となって繁殖し、虫歯を引き起こすおそれがあります。また、カレーやチョコレートなどの食べ物は、食べているときに取り外していても、インビザラインを装着したあとに色移りすることがあります。
はじめは歯磨きが面倒に思えるかもしれませんが、継続することで自然と習慣になるでしょう。食後すぐの歯磨きが難しい場合は、一時的にマウスウォッシュでお口をすすぎ、その後はなるべく早く歯磨きを行ってください。
長時間外さない
インビザラインは、食事や間食時に外す必要がありますが、一日のうちに何度も外すと治療がスムーズに進まなくなる場合があります。
インビザラインの装着時間は一日20~22時間以上と定められています。一日3回の食事と歯磨きの時間に加え、頻繁に間食すると装着時間が短縮され、歯が計画どおりに動きません。治療期間がのびる可能性があるため、長時間外さないように注意しましょう。
食後のつけ忘れに注意する
先ほども解説したように、長時間インビザラインを外していると十分な治療効果が得られません。そのため、食後はすぐに歯磨きを行い、インビザラインを装着する癖をつけましょう。
食事中に友人と会話に夢中になり、インビザラインをつけ忘れることもあるかもしれません。治療開始すぐの頃は特につけ忘れが起きやすいため、意識することが大切です。
インビザラインを外したら専用のケースに入れる
食事の前にインビザラインを外したら、すぐに専用ケースに入れましょう。
紙ナプキンやティッシュなどに包んでしまうと、つい忘れて捨ててしまうことがあります。インビザラインを失くしてしまうと再作製が必要となり、矯正の期間や費用が増える可能性があります。外したらケースに入れることを常に心がけ、インビザラインの紛失を防ぎましょう。
インビザライン治療中にひかえたほうがいい食べ物・飲み物
インビザラインを外したら、基本的に食事の制限はありません。
ただし、インビザラインを外していても、ひかえたほうがよい食べ物があります。飲み物についても同様です。インビザラインを装着している間、ひかえるべきものについてご紹介します。
硬い食べ物
インビザライン治療中の食事は、明確な制限はありませんが、硬い食べ物はさけたほうがよいといわれています。なぜなら、矯正装置によって歯が動かされている状態であるため、組織が敏感になっているからです。
ふだんは何も感じないような刺激でも、インビザライン治療中に痛みが生じることがあります。特に、新しいマウスピースに変えた直後などは、痛みが強まることがあります。そのため、新しいマウスピースに交換して2~3日の間は、フランスパンやせんべい、噛みごたえのあるお肉などはひかえましょう。
糖分を含む飲み物
清涼飲料水やスポーツドリンクは糖分が含まれており、インビザラインと歯の間に滞留すると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
酎ハイやビールなど、甘さを感じないお酒も実は糖分を含んでいます。また、透明なフレーバーウォーターも水とはいえ、糖分が入っている場合が多いです。ゼロカロリー飲料でも微量の糖分が含まれることがあるため、飲むときはインビザラインを外しましょう。
熱い飲み物
インビザラインはプラスチック製のため、高温によって形が変わる可能性があります。そのため、インビザラインをつけたまま熱い飲み物を飲むのはさける必要があります。
たとえ糖分や色素が含まれない温かい白湯であっても、インビザラインを取り外してから飲みましょう。
着色成分のある飲み物
色の濃い飲み物を摂取すると、インビザラインや歯に色が残ることがあり、インビザラインの透明感が失われる可能性があります。
インビザライン装着中に、コーヒーや紅茶などを摂取するのはひかえたほうがよいでしょう。
食後はしっかりケアしよう!
食後は、インビザラインをつける前に必ず歯を磨きましょう。また、インビザラインも同様に清掃しましょう。
歯を磨いても、インビザラインが汚れていると虫歯や歯磨きのリスクが高まります。
効果的な歯磨きの方法
食後、歯には食べかすや汚れが残りがちです。これを放置してマウスピースを装着すると細菌が活発化し、虫歯や歯周病のリスクがあがります。
健康な歯を維持するためには、プラーク(歯垢)をしっかり取り除くことが大切です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って細かい部分まできれいにしましょう。外出先などで長時間の歯磨きが難しい場合は、マウスウォッシュを使用するとよいでしょう。
歯磨きは、歯面だけでなく、歯と歯茎の間にも届くように歯ブラシを斜め45度に傾けて、小刻みに動かすと効果的です。特に、就寝中は細菌が活発化するため、寝る前はデンタルフロスなどを使用して入念に磨きましょう。
マウスピースのお手入れ方法
インビザラインを装着する前は、一度流水で洗ってからつけるとよいでしょう。このとき、お湯を使うとマウスピースが変形してしまうおそれがあるため、水やぬるま湯ですすぎましょう。手指で洗う方法でも構いませんが、細かい部分は歯ブラシを使うと効果的に汚れを除去できます。
ただし、歯磨き粉の使用はさけてください。なぜなら、歯磨きには研磨剤が含まれていることが多く、粒子によりマウスピースに微細な傷ができてしまう可能性があるからです。傷ができてしまうと、その溝に雑菌が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病などの原因のほか、においの原因にもなります。
まとめ
インビザライン治療中は、マウスピースさえ外せば食事の制限はありません。
ただし、インビザライン装着中に摂取可能なものは、基本的に水のみです。お湯や食べ物はマウスピースを変形・破損させる可能性があるため、食事のときは必ずインビザラインを外してください。
また、インビザラインをつけたまま糖分や着色成分を含む飲み物を摂取すると、虫歯や歯周病のリスクを高めるほか、マウスピースに色移りする可能性があるのでご注意ください。
食後はインビザラインを装着する前に歯磨きを行いましょう。同時に、インビザラインも流水で洗ってください。インビザライン治療中に虫歯や歯周病になると、治療期間がのびるだけでなく、治療費用も追加で発生します。矯正治療を計画どおりに進めるためには、食事のルールはしっかり守りましょう。
インビザライン治療を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。