こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザライン矯正は、やわらかい透明なマウスピースを使用する矯正治療です。痛みが生じにくいですが、インビザライン矯正中に痛みを感じて困ったという方もいます。
インビザライン矯正中は、どのような原因で痛みが出てしまうのでしょうか。また、インビザライン矯正中に痛みが出た場合、どのように対処したらいいのでしょうか。
今回は、インビザライン矯正で痛いと感じる原因を解説します。
目次
インビザラインは痛いの?
インビザラインは、アメリカに本社をおいているアライン・テクノロジー社が提供したマウスピースを使って行う矯正治療です。2022年9月時点の統計では、世界で1,400万人以上の方がインビザライン矯正を受けています。
インビザライン矯正が多くの方に支持されている理由として、患者さまにとって負担の少ない矯正治療であることがあげられます。
ワイヤー矯正の場合、1本1本の歯にブラケットを装着してワイヤーで繋ぎます。歯に強い圧力がかかるため、特に装着したばかりの時は痛みを感じやすいです。
インビザライン矯正では、マウスピースを2週間に1回程度交換しながらゆるやかに力をかけて歯を動かします。そのため、比較的痛みを感じにくいといわれています。
ただし、まったく痛みを感じないわけではありません。ワイヤー矯正同様、歯が動いた際などは痛みを感じるケースもあります。
インビザライン矯正中に痛みが生じる原因
インビザライン矯正中、どのような時に痛みが生じるのでしょうか。痛みが生じる原因をご紹介します。
歯が動いたため
インビザライン矯正では、マウスピースを装着することで歯に力を加え続けます。歯に力が加わると、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)にも力が加わります。歯の根の周りを覆ってクッションの役割を果たす歯根膜(しこんまく)にも、継続的に力が加わるでしょう。
そのため、圧迫されるような痛みを感じる方が多いです。簡単に表現すると、歯の移動は顎の骨や歯根膜の性質・炎症反応を利用して行います。いくら矯正力が弱くても、炎症が起こるので痛いと感じることもあるでしょう。
特に痛みが生じやすいのは、歯が動き始めた時です。新しくマウスピースを装着してから3~6時間ほどで痛みが出て、3日ほどで落ち着くでしょう。
ワイヤー矯正より加えられる力は小さいため、痛みというよりは違和感があるという方が多いです。
アタッチメントを装着したため
インビザライン矯正を行う際に、アタッチメントと呼ばれる樹脂でできた突起を歯につけることがあります。アタッチメントは、歯とマウスピースの密着度を高めるために使用されることが多いです。
アタッチメントをつけただけで痛むことはありませんが、ない時よりはマウスピースの密着度が上がるので、その分強い矯正力がかかります。そのため、アタッチメントを装着している方は痛いと感じる傾向があります。
また、マウスピースを着脱する際にアタッチメントが引っかかって痛みを感じることもあるでしょう。
歯を噛み合わせたため
歯が動いて痛みを感じている時は、食べ物を噛み砕くことが刺激になって痛みが強くなることもあります。特に、新しいマウスピースに交換してから2〜3日は強い痛みが発生する可能性があります。
マウスピースの縁が舌や歯茎に当たるため
インビザライン矯正のマウスピースの素材はやわらかく、口腔内を傷つけないように設計されています。
しかし、マウスピースが浮いている場合などは、縁が舌や歯茎に当たるでしょう。そのまま装着し続けると、口腔内を傷つける恐れがあります。怪我をしている状態なので、当然痛みます。
治療計画通りに歯が動いていないため
インビザライン矯正のマウスピースは、患者さま自身で着脱を行います。1日20~22時間装着する必要があるので、食事や歯磨きの時以外は装着し続けなくてはいけません。
マウスピースの装着時間が不十分だった場合、歯の移動がスムーズに進みません。装着する度に、強い痛みを感じる可能性があります。
インビザライン矯正では、マウスピースを交換しながら理想の歯列を目指します。それぞれのマウスピースでの歯の移動が完了してから、次のマウスピースに交換する必要があるのです。
装着時間が短いなど、何らかの理由で治療計画どおりに歯が動いていない場合、マウスピースを交換した時に強く痛むでしょう。マウスピースと現状の歯並びのずれが大きくなるためです。
ゴムかけをしたため
矯正治療中に、顎の位置や噛み合わせを調整するためにゴムかけを行うことがあります。マウスピース、もしくは歯につけた突起にゴムを引っかけますが、引っ張り合う力が強いために痛みを感じることがあります。
ゴム掛けをしないと治療計画通りに歯が動かないので、どうしても痛みが強い時には歯科医師に相談してください。
インビザライン矯正中に痛みが生じたときの対処法
インビザライン矯正では痛みが出ることもあるので、対処法を把握しておくことが大切です。
歯に負担のかからない食事をする
硬い食べ物を噛みくだくと歯に刺激を与えてしまうので、より強く痛みを感じます。そのため、痛みが出ている時はできる限りやわらかいものを食べるように心がけましょう。
指でつぶせる程度のやわらかさなら、歯に負担がかかりにくいです。
鎮痛薬を服用する
歯が動き始めた際に痛みを強く感じた場合は、鎮痛薬を服用すると良いでしょう。鎮痛薬は歯科医院で処方してもらうことも、ドラックストアで購入することも可能です。
しかし、鎮痛薬には炎症を抑える成分が入っていることがあります。歯の動きが鈍ることもあるので、可能であれば歯科医院で処方してもらったものを服用してください。
矯正用ワックスを使用する
アタッチメントが頬や唇などにあたって痛みを感じる時は、粘土状の矯正用ワックスを使用しましょう。矯正用ワックスは歯科医院で購入でき、飲みこんでも身体に害はありません。ワックスでアタッチメントを覆って保護することで、痛みを軽減できます。
ただし、矯正用ワックスがついたままマウスピースを装着すると、マウスピースがフィットしなくなることがあります。マウスピースを装着する前に、矯正用ワックスは外してください。
リムーバーを使って取り外す
マウスピースの着脱に慣れない間は、着脱の際に歯に力がかかって痛みを感じるかもしれません。マウスピースをスムーズに外すためのリムーバーを使うと、痛みを感じずに着脱できるでしょう。
歯科医師に相談する
痛みの原因が患者さま自身ではわからないこともありますし、痛みの感じ方も人それぞれです。マウスピースの交換後しばらく経っても痛みが続き、原因がよくわからない場合は、我慢せずに歯科医師に早めに相談してください。
どのような痛みがどのような時に出るか、自分でどのような対処をしたのかを歯科医師へ伝えましょう。医師が口腔内の状況を判断し、適切に対応してくれるでしょう。
マウスピースの縁が頬や歯茎に当たって痛む場合も、歯科医院で調整してもらえます。
まとめ
インビザライン矯正は、痛みが少ない治療方法とされています。
しかし、歯が動いていること、アタッチメントやゴムかけを行っていること、マウスピースの縁があたることなどによって痛いと感じることもあるでしょう。痛みが出た場合は、歯に刺激を与えないような食事をしてください。
鎮痛剤を服用したり、矯正用ワックスを使うなど、原因に合わせて対処しましょう。
自己判断で対処すると、口腔環境が悪化してしまうことも考えられます、また、痛みがあるからとマウスピースを装着しないでいると治療計画通りに歯が動きません。
矯正治療が滞りなく進むように、困ったことがあった時は早めに担当の歯科医師に相談してください。
インビザライン矯正を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。