こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザラインは透明なマウスピースを使用するため目立ちにくく、取り外しもできることから人気の治療法です。
しかし、インビザライン矯正を始めてから顎が痛くなることがあるかもしれません。「どうして顎が痛くなるの?」「顎が痛いときはどうしたらいいの?」など悩まれている方がいるのではないでしょうか。
インビザライン矯正中に顎が痛くなった場合、放置すると悪化する可能性があるため、適切に対処する必要があります。
今回は、インビザライン矯正中に顎が痛くなる原因や放置するリスク、対処法について解説します。インビザライン矯正中の顎の痛みにお悩みの方や、インビザラインを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザライン矯正中に顎が痛くなる原因とは?
インビザライン矯正中に顎が痛いと感じたときには、次の原因が考えられます。
新しいマウスピースに交換したばかりで顎に圧力がかかっている
新しいマウスピースに交換したときに顎が痛くなることがあります。インビザラインでは1週間〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら治療を進めます。
新しいマウスピースに交換したときに顎が痛くなるのは、その都度、歯と顎に圧力がかかるからです。歯が正しい位置へと動くための症状で、通常は数日で治まります。
しかし、3日以上痛みが続く場合や悪化した場合は歯科医院を受診した方がよいでしょう。
マウスピースの装着時間が短い
マウスピースの装着時間が短いことが原因で、顎に痛みを感じることもあります。マウスピースは、1日20時間以上装着しなければなりません。
しかし「昼休みに外したまま忘れていた」「装着せずに寝てしまった」などの理由で、マウスピースを長時間外すと歯が元の位置に戻ろうとします。
この症状を後戻りと呼びますが、後戻りをした歯にマウスピースを装着すると治療計画で予想していた以上の力が歯に加わるため、痛みが出やすいのです。
食事中や歯磨き、装置の洗浄など、マウスピースを外さなければならないとき以外は、できるだけマウスピースを装着しましょう。
食いしばりや歯ぎしりをしている
食いしばりや歯ぎしりが原因で顎が痛いと感じる場合もあるでしょう。
マウスピースを装着したときの違和感が原因で歯ぎしりや食いしばりをする方もいます。顎が疲れているような症状があるには、食いしばりや歯ぎしりをしている可能性があるでしょう。
食いしばりや歯ぎしりの症状は、仕事などに集中しているときや緊張したときなどに出やすいです。起きている時間に食いしばりや歯ぎしりをしていると気づいたら意識してやめましょう。
歯根膜に炎症が起きている
インビザライン矯正中に顎が痛いときには、歯根膜に炎症が起きている可能性もあります。マウスピースで歯を動かす際、歯根膜に圧力がかかるため、歯根膜が敏感になっています。
そのため、咀嚼や食いしばり、歯ぎしりなどの刺激によって歯根膜が炎症を起こし、顎が痛いと感じることがあるのです。
顎の痛みは放置してはいけない?
インビザライン矯正中に顎が痛いと感じたら放置してはいけません。
本項目では、顎の痛みを放置するリスクについて解説します。
炎症が悪化する可能性がある
歯根膜の炎症が原因で顎に痛みが出ている場合、放置すると炎症が悪化する可能性があります。
炎症が治るまで矯正を一時中断しなければならないケースもあるかもしれません。症状を悪化させないためにも、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
顎関節症になる可能性がある
歯ぎしりや食いしばりが原因で顎に痛みが出ている場合、放置すると顎関節症になる可能性があります。顎関節症になると、顎の骨や周辺の筋肉が痛くなったり、ガクガクとなったり、口が開きにくくなったりします。
悪化すると、噛むたびに顎が痛んだり、口が開かず食事ができなかったりすることも少なくありません。
頭痛や肩こりが起こる可能性がある
顎が痛むのを放置すると、頭痛や肩こりに悩まされる可能性もあります。口の周りや顎の筋肉は首や肩の筋肉と繋がっています。顎の痛みを放置すると首や肩の血流が悪くなって、頭痛や肩こりの原因になるのです。
インビザライン矯正中に顎が痛くなるのを防ぐ方法
インビザライン矯正中に顎が痛くなるのを防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。
本項目では、インビザライン矯正中に顎が痛くなるのを防ぐ方法を解説します。
マウスピースを正しく装着する
矯正中のトラブルを防ぐためにも、マウスピースは正しい方法で装着してください。
マウスピースを装着するときは、奥歯から装着しましょう。マウスピースと歯との間に隙間があると、歯を動かす力が加わりにくくなるだけでなく、痛みの原因にもなります。
マウスピースを装着するときは指でしっかりとはめ込んだ後で、チューイーというシリコン製のロールチューブを噛みましょう。チューイーを噛むことで、マウスピースと歯をしっかりとフィットさせることができます。
また、マウスピースを外す際は、歯に必要以上のダメージを与えないためにも、奥歯から丁寧に外してください。
食いしばりや歯ぎしりに気をつける
食いしばりや歯ぎしりは無意識のうちに行っていることも少なくありません。
食いしばりや歯ぎしりは、以下の場面で起こりやすいです。
- 集中しているとき
- ストレスを感じているとき
- 緊張しているとき
- 寝ているとき
ふとしたときに「顎の筋肉が疲れている」と感じることがあります。そのようなときは、歯を食いしばっている可能性があります。
就寝中の歯ぎしりは自分で気づくことは難しいため、パートナーに確認するとよいでしょう。起きたときに食いしばりや歯ぎしりをしていると気づいたら意識してやめましょう。
インビザライン矯正中に顎が痛いときはどうしたらいい?
顎が痛いけれど、忙しい日々を送っていたり、歯科医院の予約が取りづらかったりするために、すぐに歯科医院に行けないという方もいるでしょう。
インビザライン矯正中、顎に痛みが出たときに自宅でできることについて、下記にまとめました。
鎮痛剤を飲んで安静にする
顎が痛むときには、鎮痛剤を飲んで安静にしましょう。特にマウスピースを交換してすぐは、鎮痛剤を飲むことで痛みが和らぐケースがあります。また、激しい運動や過剰にストレスがかかる状況はできるだけ避け、安静にしてください。
鎮痛剤を飲むときは、歯科医院で処方してもらったものを服用しましょう。市販薬には矯正治療に影響を及ぼす成分が含まれている可能性があるためです。
顎のマッサージをする
顎のマッサージをすることで緊張している筋肉が和らぎ、痛みが軽減される場合もあります。
親指以外の4本の指を咬筋(噛んだときに顎の骨や筋肉が盛り上がっているところ)付近に当てて、円を描くようにマッサージしましょう。マッサージをするときは力を入れすぎず、優しく動かしてください。
しかし、顎に炎症が起きているときや腫れているときにマッサージをすると、悪化する可能性があるため、控えたほうがよいでしょう。
硬いものを食べない
顎が痛いときには、硬いものを食べずにできるだけ柔らかいものを食べるようにしてください。例えば、リンゴやせんべい、肉の塊などは、よく咀嚼する必要があるため顎に負担がかかります。硬いものを食べ続けると、顎の痛みが強くなる可能性があります。
顎の痛みが治まるまでは、うどんや魚、豆腐、卵など、柔らかい食材を選ぶとよいでしょう。根菜類などしっかりと噛む必要のある食材は、火を通してあまり噛まなくてもよい状態にしてから食べましょう。
まとめ
今回は、インビザライン矯正中に顎が痛くなる原因や対処法について解説しました。
顎が痛くなる原因にはいくつか考えられますが、新しいマウスピースに交換した直後は、歯を動かす力が強くかかるため痛みが出やすいです。
また、マウスピースが正しく装着できていない場合や、食いしばりや歯ぎしりがある場合、歯根膜炎になっている場合にも顎が痛くなる可能性があります。放置すると炎症が悪化する場合や顎関節症になる場合があるため注意しなければなりません。
インビザライン矯正中、顎に強い痛みが出たときは、鎮痛剤を服用して安静に過ごしましょう。また、顎周りをマッサージすることや、やわらかいものを食べることで痛みを軽減できる可能性もあります。顎の痛みが続く場合は我慢せず、歯科医院を受診しましょう。
インビザラインを検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。