こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
「口腔機能発達不全症ではどんな症状が現れるの?」「口腔機能発達不全症の治療方法とは?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。
今回は、口腔機能発達不全症について、詳しく解説していきます。チェックリストや原因だけではなく、治療方法・治療費用もご紹介しますのでぜひご覧ください。
目次
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症は、食べる機能や話す機能などが十分に発達していない、あるいは正常に機能を獲得していない状態を指します。明確な摂食機能の障害はなく、個人的・環境的な因子が影響しているため専門的な介入が必要な状態です。
簡単にお伝えすると、機能が全く働いていないわけではありませんが、発達がやや遅れている段階といえるでしょう。
ただし、早期発見と適切な治療により、正常な発達へと導くことが可能です。したがって、検診時には口腔機能も確認することが重要です。
口腔機能発達不全症のチェックリスト
口腔機能発達不全症かどうかを確認するチェックリストは、以下のとおりです。
- 唇が分厚くふくれている
- 飲食時や会話時に舌が口から出ている
- よだれが多い
- 食事中に口からこぼれやすい
- 口呼吸のクセがある
- いびきをかきやすい
- 発音が不明瞭、滑舌が悪い
- 舌が短い
- 舌に歯の跡がついている
- 歯並びが悪い
- ほとんど噛まずに飲み込む
- 食べるのが遅く、なかなか飲み込まない
- 硬いものを食べない
- 肥満、もしくは痩せている
- ぽかんと口をあけている時間が多い
上記のチェックリストで当てはまっているものがあると、口の機能をうまく使えていない口腔機能発達不全症のおそれがあります。口腔機能発達不全症は自然治癒が難しいとされていますので、気になる症状があるときはできるだけ早めに歯科医院で相談しましょう。
口腔機能発達不全症の原因
口腔機能発達不全症の原因は、口呼吸や指しゃぶりなどの悪習慣と言われています。口呼吸だと口周りの筋肉が緩んで発達が阻害されるのです。顎の発達も阻害されるので、歯並びや噛み合わせにも悪影響を及ぼします。
指しゃぶりは小さなお子さまによくみられるクセですが、口呼吸と同じように口の周りの筋肉と顎の骨の発達が遅れるでしょう。他にも、前歯を舌で押し出すクセや頬杖をつくといった悪習慣も、口腔機能発達不全症の原因となり得ます。
口腔機能発達不全症の治療方法
口腔機能発達不全症の治療方法は、以下のとおりです。
口腔筋機能療法(MFT)
口腔筋機能療法は、口周りの筋肉や舌を鍛えるトレーニングです。意識せずにおこなっていたクセを自覚して、口腔機能を上手く使えるようにしていく治療法です。
口腔筋機能療法で舌を正しい位置に置いたり、口周りの筋肉をトレーニングしたりして、発音・咀嚼の問題を解決します。
歯列矯正をおこなう
歯並びが口腔機能発達不全症に関係しているケースでは、歯列矯正を行うこともあるでしょう。歯列矯正で歯並びや噛み合わせをよくすることで、食事のしにくさや発音の不明瞭さを改善させていきます。
小児の歯列矯正では、顎の発育を促して永久歯が正しい位置に生えるようにサポートすることも可能です。将来的な歯並びの悪化を防げるなど、メリットが多いでしょう。
言語療法
歯科医師だけではなく、言語療法士と一緒にトレーニングを行うこともあります。特に口腔機能発達不全症の症状のチェックリストの中で、発音に関する部分に不安があるケースで有効な治療方法です。
口を閉じる筋力のトレーニングをする
口を閉じる力のことを、口唇閉鎖力(こうしんへいさりょく)といいます。口腔機能発達不全症の治療では、口唇閉鎖力をアップさせるトレーニングを行うケースも多いでしょう。
トレーニング方法は、以下のとおりです。
- 口周りを指で掴んで上下に動かす
- 棒状のものを唇で掴む
- 専用の器具を使用してトレーニングする
専用の器具は、歯科医院で相談すると案内してもらえます。
口腔機能発達不全症の治療をするのにかかる費用
口腔機能発達不全症の診断を受けた場合、保険診療で治療可能です。診断を受けずに治療をするときには、自費診療となります。
歯医者で口腔機能発達不全症の治療を受けるときの費用の目安は、以下のとおりです。
保険診療の場合
口腔機能発達不全症の診断を受けると、保険で治療を受けられます。3割の自己負担の方であれば、窓口で支払うのは2,000円以下です。
ただし、診断を受けるための検査やフッ素塗布など他の治療も受けたときは、費用が変わりますので注意してください。
自費診療の場合
自費で口腔機能発達不全症の治療を受けるときにかかる費用は、歯科医院によって異なります。おおむね、1回の通院につき3,000から1万円ほどかかるでしょう。
自費診療では保険診療と比べると費用がかかりますが、保険診療では治療できない症状であっても対応可能です。
口腔機能発達不全症を予防する方法
口腔機能発達不全症を予防するためには、日常生活での悪習慣や環境を改善することが重要です。予防策をしっかりと実践することで、症状の発生を未然に防げるでしょう。
主な予防方法は、以下のとおりです。
姿勢を正す
口腔機能発達不全症の予防において、正しい姿勢を保つことは非常に重要です。食事や会話の際、姿勢が悪いと舌や顎の位置がずれて、咀嚼や発音に悪影響を与えることがあります。また、口周りの筋肉が正しく使われなくなるため、うまく発達しない原因になるでしょう。
特に、前かがみの姿勢や猫背は口呼吸を助長し、口腔機能の低下を招く可能性が高いです。
正しい姿勢とは、背筋をまっすぐに伸ばし、肩の力を抜いてリラックスした状態です。頭は前に突き出ないように注意して、顎を引いて耳が肩の上にくるように意識しましょう。
普段の生活の中で正しい姿勢を維持すれば、口腔機能を正常に発達させられます。
鼻呼吸を習慣化する
口呼吸が習慣化していると、舌を正しい位置に置けません。舌の正しい位置は、上顎に軽く触れている状態です。この位置に舌を置いていれば、口が自然に閉じるので鼻呼吸が促進されます。
舌が正しい位置にあれば歯並びや噛み合わせの形成が正常に進むため、口腔機能の発達にも良い影響を与えるでしょう。
バランスの良い食事を摂る
口腔機能の健全な発達には、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。特に成長期の子どもであれば、カルシウムやビタミンD、タンパク質を十分に摂取できるように考えてあげましょう。
これらの栄養素は骨や歯の発育に必要で、不足すると発達不全のリスクが高まります。
また、咀嚼を促すために食物繊維を含む野菜や果物、適度な硬さがある食べ物も積極的に取り入れましょう。しっかりと噛むことで顎の発達が促され、口腔機能が強化されます。
定期的に歯科検診を受ける
口腔機能発達不全症の早期発見と予防には、定期的な歯科検診が欠かせません。歯並びや噛み合わせ、口周りの筋肉の状態を確認してもらえば、問題が見つかった際に早期に対応することができます。
特に、子どもの場合は成長に合わせて適切な指導や治療が行われるため、定期的なチェックが非常に重要です。
また、大人でも年齢とともに口腔機能が低下することがあるので、定期的な歯科検診で口腔内の健康状態を確認してもらいましょう。検診を通じて専門家のアドバイスを受けることで、日常生活での予防対策もより効果的に行えるようになります。
まとめ
口腔機能発達不全症は、食べる機能や話す機能が十分に発達していない状態を指します。口周りの筋肉をうまく使えなかったり、発音が不明瞭であったり、何もしていないときに口をぽかんと開けたままになっていたり、さまざまな症状が現れます。
口腔機能発達不全症の治療には、口腔筋機能療法や歯列矯正などがあります。口腔筋機能療法は保険診療で行えるので、費用を抑えて治療を受けられるケースもあるでしょう。
口腔機能発達不全症のチェックリストを確認して、気になる症状があるときには歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。
口腔機能発達不全症の治療を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、健康なお口=健口から健康を創り出す歯科医院として予防を中心とした歯科医療を提供しています。予防歯科や小児矯正、マウスピース矯正だけでなく、虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯、歯科ドックなども行っています。