こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
口呼吸は一見無害に思えるかもしれませんが、実は健康や成長にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。本来、鼻呼吸が自然な呼吸法ですが、口呼吸を続けると歯並びが乱れたり顎の発達に影響が出たりします。
風邪を引きやすくなるなど、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
この記事では、口呼吸の原因や歯並びとの関係性について詳しく解説し、改善のための具体的な方法もご紹介します。
子どもが口呼吸をする原因
口呼吸は子どもの健康や成長に影響を及ぼしますが、改善にはまず原因を把握することが重要です。ここでは、子どもが口呼吸をしてしまう主な理由について解説します。
鼻づまりやアレルギーによる影響
鼻づまりやアレルギー性鼻炎が原因で鼻呼吸が難しくなり、結果的に口呼吸をするケースがよく見られます。特に、花粉やダニ、ホコリなどへのアレルギー反応がある場合、鼻の通りが悪くなることで口呼吸が慢性化しやすくなります。
このような場合は、アレルギーや鼻炎の治療を早めに行うことが大切です。
口や舌の筋力の未発達
口や舌の筋肉が十分に発達していない場合、舌が正しい位置に収まらず、口を閉じて鼻呼吸をするのが難しくなることがあります。この状態では、舌が下がって口が開いたままになることが多く、口呼吸が癖として定着してしまいます。
筋力を強化するためのトレーニングや矯正治療が有効な対策となります。
顎の発育不足や歯並びの問題
顎が小さい、または発育が不十分な場合、舌が正しい位置に収まりにくくなり、口呼吸を続けてしまうことがあります。また、歯並びの乱れも、口を閉じることを妨げる原因になります。
これらの問題は、成長期の早い段階で矯正や適切な治療を行うことで改善が期待できます。
習慣化した
一時的な鼻づまりなどで始まった口呼吸が習慣化し、その後も癖として残る場合があります。たとえ鼻の状態が改善しても、無意識に口呼吸を続けてしまうのです。
このような場合は、鼻呼吸を意識的に練習することで改善が見込めます。
環境要因による影響
乾燥した空気や不適切な寝具、生活環境も口呼吸を誘発する一因です。例えば、エアコンの多用による空気の乾燥が原因で鼻腔が乾くと、口呼吸が増えることがあります。適切な加湿や環境の見直しを行うことで予防が可能です。
姿勢や生活習慣の影響
子どもの姿勢が悪い場合、顎や舌の位置が正しく保たれず、口呼吸につながることがあります。特に、スマートフォンやタブレットの長時間使用による猫背は、口を閉じるための筋力低下を引き起こす原因にもなります。
正しい姿勢を意識することや、デバイスの使用時間の調整が必要です。
子どもの口呼吸は改善するべき?
口呼吸は、子どもの健康や成長に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、見過ごしてはいけない問題です。鼻呼吸ができない状態が続くと、口腔内や全身の健康にさまざまな問題が生じることがあります。そのため、早めに改善に取り組むことが重要です。
ここでは、口呼吸を改善するべき理由と、放置した場合に起こり得るリスクについて解説します。
改善が必要な理由
口呼吸の改善が必要な理由は、以下の通りです。
歯並びや顎の成長に影響を与える
口呼吸が続くと、舌の位置が下がって歯並びや顎の発達に悪影響を及ぼします。舌が正しい位置にない状態では歯に適切に圧力がかからず、出っ歯や開咬(前歯が閉じない)といった不正咬合を引き起こしやすくなります。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
口呼吸により口腔内が乾燥しやすくなると、唾液の働きが低下します。唾液は口内を潤し、細菌の増殖を抑える役割を果たしていますが、乾燥によって機能が十分に発揮されなければ虫歯や歯周病のリスクが上がります。
睡眠の質が低下する
口呼吸は、睡眠時無呼吸症候群やいびきの原因となり、子どもの睡眠の質を低下させる可能性があります。成長期に十分な睡眠が確保できないと、集中力の低下や情緒の不安定といった問題が生じることがあります。
免疫力の低下
鼻呼吸ができないことで、鼻腔のフィルタリング機能が失われ、細菌やウイルスが直接体内に入りやすくなります。その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、子どもの健康が損なわれる原因となります。
放置した場合に起こり得るリスク
子どもの口呼吸を放置した場合、以下の問題が起こる可能性があります。
歯並びの悪化が進む
口呼吸を放置すると歯並びや顎の成長がさらに乱れ、矯正治療が必要になる場合があります。成長期を逃すと治療が難しくなるため、早期の対応が不可欠です。
慢性的な健康トラブルを引き起こす
口腔内の乾燥による虫歯や歯周病の進行に加え、慢性的な鼻炎や喉の炎症が悪化することがあります。免疫力の低下や体調不良が続き、学業や日常生活に支障をきたす可能性があります。
顔の骨格や発音への影響
長期間にわたる口呼吸は、顎や顔の骨格に影響を与えます。また、口が閉じにくいことで発音が不明瞭になり、コミュニケーションに支障をきたす場合もあります。
子どもの口呼吸と歯並びの関係性
成長期の呼吸習慣は、顎や歯の発達を左右する重要な要素です。口呼吸が続くと歯並びの乱れを引き起こす原因となります。
ここでは、口呼吸と歯並びの関係について詳しく解説します。
舌の位置と歯並びへの影響
正常な鼻呼吸では、舌が自然に上顎に接した位置に収まり、歯並びや顎の発達を支えます。
しかし、口呼吸が習慣化すると舌が下がった位置に留まり、上顎が十分に発達せず狭くなります。この結果、歯が正しく並ぶスペースが不足し、歯並びが乱れる原因になります。
口呼吸による顎の成長への影響
口呼吸が続くことで、口元の筋肉に過剰な力がかかり、顎の成長に悪影響を及ぼします。特に、上顎の発育が不十分になると下顎の成長も阻害され、顔全体のバランスが崩れることがあります。
子どもの口呼吸を改善する方法
口呼吸は子どもの健康や歯並びに影響を及ぼすため、早めに改善することが重要です。正しい呼吸習慣を身につけることで、口腔環境や全身の健康を改善できます。
ここでは、具体的な改善方法をご紹介します。
鼻詰まりやアレルギー症状の治療
鼻詰まりやアレルギー性鼻炎が口呼吸の原因となっている場合、耳鼻咽喉科での治療が必要です。薬物療法や環境の見直しにより、鼻呼吸がしやすい状態を整えましょう。
特に、季節性アレルギーの場合は、症状が出る前に予防対策を行うことが効果的です。
口や舌の筋肉を鍛える口育の実践
口呼吸の改善には、口や舌、顎の筋肉を鍛える口育(こういく)が役立ちます。
- 舌のトレーニング
- 口唇のトレーニング
- 噛む力のトレーニング
上記3つのトレーニングで、口周りの筋肉のバランスを整えます。
具体的には、舌を上顎に押し付ける運動を繰り返して舌の筋力を養ったり、口を閉じた状態で風船を膨らませる練習をしたり、紙を唇で挟むトレーニングを行ったりします。唇を閉じる力を強化することも、口呼吸への改善に有効です。
噛む力は、せんべいやスルメなどの硬い食べ物をしっかり噛むことで鍛えられます。顎の発達を促し、口元の筋力を高めます。
正しい姿勢を身につける
姿勢の悪さも、口呼吸の原因になることがあります。特にスマートフォンやタブレットの長時間使用により猫背になると、顎が後退し口呼吸を引き起こしやすくなります。
以下のポイントを意識して姿勢を改善しましょう。
- 背筋を伸ばして座る
- 肩の力を抜く
- 頭を前に出さないようにする
正しい姿勢を保つことで、口周りの筋肉や舌の位置が改善され、鼻呼吸がしやすくなります。
鼻呼吸を意識させる習慣作り
鼻呼吸を習慣化するためには、意識的な取り組みが必要です。以下の方法で鼻呼吸を促しましょう。
テープを使った夜間トレーニング
睡眠中の口呼吸を防ぐため、専用の口閉じテープを使用する方法があります。これにより、鼻呼吸が自然に身につきます。
深呼吸の練習
鼻からゆっくり吸い、鼻から吐く深呼吸を意識的に行いましょう。1日に数回行えば、自然と鼻呼吸を習慣化できます。
歯科や矯正歯科での治療
歯並びや顎の問題が口呼吸の原因となっている場合、歯科や矯正歯科での治療を検討しましょう。マウスピースや矯正装置を使って歯並びを整えれば、舌の位置を正しい位置に導くことが可能です。
また、医師の指導のもとでトレーニングを行うと、改善効果がより高まります。
まとめ
子どもの口呼吸は、健康や成長にさまざまな悪影響を及ぼすため早期に改善が必要です。口呼吸の原因には、鼻詰まりやアレルギー、舌の位置の異常、口周りの筋肉の弱さなどが挙げられます。
口呼吸を放置すると、歯並びの乱れや顎の発達不良、口腔内の乾燥による虫歯や歯周病のリスク増加、睡眠の質・免疫力の低下といった問題が発生する可能性があります。歯並びとの関係性も深く、口呼吸が続くと不正咬合や噛み合わせの異常が引き起こされることがあります。
改善のためには、耳鼻咽喉科での治療や口育を通じた舌や口周りの筋肉のトレーニング、姿勢の改善、鼻呼吸を習慣化させる工夫が効果的です。適切な対策を取ることで、健康な成長と正しい呼吸習慣が促されます。
お子さまの口呼吸の改善を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、健康なお口=健口から健康を創り出す歯科医院として予防を中心とした歯科医療を提供しています。予防歯科や小児矯正、マウスピース矯正だけでなく、虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯、歯科ドックなども行っています。