顎関節症とは?放置するリスクや治療法も解説!

こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。

顎関節症の原因の筋肉や顎のイメージ

「口を開けると顎がカクカクと鳴る」「食事中に顎がだるく感じる」「口が大きく開けられない」などの症状でお悩みではないでしょうか。これらは、顎関節症の代表的な症状です。

軽度であれば自然に症状が落ち着いていくこともありますが、悪化すると日常生活に大きな影響を与える可能性があるため、適切な対処が必要です。

この記事では、顎関節症とはどのような疾患なのかを解説し、原因や放置するリスク、治療方法をご紹介します。顎の違和感や痛みでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

顎関節症とは

顎関節症の症状で痛む顎をおさえる女性

顎関節症とは特定の状態・病気を指すものではありません。顎の関節やその周りの筋肉などに異常が生じたことによって引き起こされる、違和感や痛みなどの症状の総称です。

顎関節症の主な症状

顎関節症になると、以下のような症状が現れることがあります。現れる症状や程度には個人差がありますが、放置すると悪化する可能性もあるため、これらの症状が見られる場合は早めに歯科医院で診察を受けましょう。

顎関節から音がする

口を開閉する際に、カクカクやポキポキといった音が鳴ることがあります。これは顎関節の動きが正常でない場合に生じやすい症状です。

顎周辺の痛みやだるさ

顎やこめかみ部分に痛みが生じたり、顎がだるく感じたりすることがあります。痛みは、持続的なものから突発的に起きるものまでさまざまです。特に、食事や会話の際に感じやすいとされています。

口が開きにくい

正常な開口量は、個人差がありますが一般的には男性の場合で平均45~50mm、女性の場合で平均45mm前後とされています。

確認する方法としては、口を大きく開けて縦にそろえた人差し指、中指、薬指の3本が入るか試す方法があります。縦に並べた3本の指が無理なく入れば、問題なく開口できているといえるでしょう。

しかし、顎関節症になると顎がうまく開かず、通常の半分以下しか開けられなくなることがあります。

耳鳴り・耳周囲の不快感

顎関節は耳の近くに位置しているため、顎の異常が耳の機能に影響を及ぼすことがあります。これにより、耳鳴りや耳の閉塞感、さらにはめまいを感じることがあります。重度の顎関節症の方に稀にみられる症状です。

肩こりや頭痛

顎の異常から姿勢が悪くなったり、顎周辺の筋肉が緊張したりすることで、肩こりや頭痛が発生することがあります。こめかみから後頭部、首、肩にかけて痛みが広がることも少なくありません。

顎関節症になる原因

顎関節症の原因の一つ頬杖をつく女性

顎関節症になる原因は1つではないと考えられています。さまざまな要因が複合的に関与することで発症します。

噛み合わせの異常

主な原因は、歯並びや噛み合わせの悪さとされています。歯並びの乱れや詰め物、被せ物の高さの違いなどが原因で噛み合わせが悪くなると、顎の関節や筋肉に負担がかかるためです。

また、親知らずが手前の歯を強く押すことで噛み合わせが乱れ、顎関節症を発症するケースもあります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりなど、歯を強く噛み締める癖があると、顎関節や周囲の筋肉に負担がかかります。

特に、寝ている間に無意識に行う歯ぎしりや食いしばりでは、強い力がかかるため注意が必要です。就寝時はナイトガードを装着するなど、負担を軽減できるよう工夫しなければなりません。

悪い癖

頬杖をつく、片側だけで噛む、硬いものを頻繁に食べる、ガムを長時間噛み続けるなどの癖や習慣が、顎関節に負担をかける原因となることがあります。同じ姿勢で長時間パソコン作業やゲームをしたり、下を向いてスマホを操作したりすると、顎関節に負担がかかることがあるのです。

猫背など、日常生活における姿勢の悪さも、顎関節症の発症に関係があるとされています。

ストレス

ストレスによる筋肉の緊張が、顎関節に影響を与えることがあります。さらに、ストレスは歯ぎしりや食いしばりを引き起こす要因の1つとされています。

外傷

交通事故やスポーツ中の怪我、転倒などで、顎や顔に強い衝撃を受けたことで顎関節症を発症するケースもあります。顎関節を損傷しないよう、スポーツ用のマウスピースを使用して保護するなどの対策が必要です。

顎関節症を放置するリスク

顎関節症を放置するリスクのイメージ

顎関節症が軽度であれば、自然と症状が軽快していくこともあります。

しかし、放置するとさまざまな問題につながる可能性もあります。ここでは、顎関節症を放置するリスクについて解説します。

症状が悪化する

初期の軽い違和感や痛みを放置すると、悪化して慢性的な強い痛みへと進行することがあります。さらに症状が悪化すると、口を大きく開けられなくなる開口障害が起こる恐れがあります。

食事や会話が困難になるなど、日常生活に支障をきたす可能性があります。

全身に影響がでる

顎関節の不調は、首や肩の筋肉にも影響を及ぼします。頭痛や肩こり、耳鳴りといった症状を引き起こすことがあるでしょう。さらに、顎関節の異常が全身のバランスに影響を与え、姿勢の悪化や筋肉の緊張を引き起こすことがあります。

生活の質が低下する

食事や会話が困難になると、日常生活に支障をきたすことがあります。特に、食事中に痛みを感じると食欲が低下し、栄養状態が悪化する可能性もあります。痛みや不快感が続くことでストレスや不安が増し、精神的な健康にも悪影響を及ぼすかもしれません。

顎関節症を治療する方法

顎関節症の治療の一つ歯ぎしり対策のマウスピースをする女性

顎関節症の治療方法は、症状の程度や原因に応じて異なります。

生活習慣の見直し

硬い食べ物を避ける、姿勢を改善する、ストレスをコントロールするなど、日常生活の習慣を見直すことが重要です。特に、頬杖や食いしばりなどの癖は、意識して改善できる可能性もあります。目につきやすい場所にメモを貼っておくなど、工夫して改善しましょう。

スプリント療法(マウスピース治療)

歯ぎしりや食いしばりが顎関節症の原因の場合、夜間の就寝時にスプリントと呼ばれるマウスピースを装着することで、顎関節や筋肉にかかる負担を軽減します。マウスピースを装着するだけの簡易的な処置ですが、顎関節症に対する効果は高いとされています。

ただし、スプリント療法だけで顎関節症を完治させることは難しいです。生活習慣の改善や他の治療法と併用することが推奨されます。

理学療法

理学療法では、顎関節や周囲の筋肉のストレッチやマッサージを行い、筋肉をほぐして痛みやこりを緩和します。温熱療法や電気療法を取り入れることもあります。

噛み合わせの調整

噛み合わせが悪いと、顎の関節や筋肉に余計な負担がかかり、痛みや不快感を引き起こすことがあります。そのため、噛み合わせの異常が原因である場合、矯正治療や被せ物の調整を行い、正しい噛み合わせにすることで顎の動きを正常化し、症状の緩和を図ります。

噛み合わせの調整方法

噛み合わせの調整には、以下の方法があります。

  • 歯の削合
  • 被せ物や詰め物の調整
  • 矯正治療

歯の表面を少し削り、歯の高さや位置を整えることで噛み合わせを調整することが多いです。被せ物や詰め物、インプラントなどを装着している場合は、それらの高さや位置を調整することで噛み合わせを改善します。

歯並びが原因で噛み合わせが悪い場合、矯正治療を行って歯の位置を正しく整えます。

薬物療法

強い痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や抗炎症剤が使用されることがあります。

ただし、薬物療法は一時的な症状の緩和を目的としており、根本的な治療ではありません。他の治療と併用し、症状を緩和しながら原因の改善を目指すことが一般的です。

外科手術

他の治療法を行っても改善が見られない場合や、関節の構造的な異常が認められる場合に、手術が検討されることがあります。

ただし、手術は最終的な手段です。通常、前述した治療を行えば症状の改善が見込まれるケースがほとんどです。

まとめ

顎関節症が治って食事を楽しむ女性

顎関節症は軽度の症状であれば自然に緩和することもありますが、放置すると悪化し、日常生活に支障をきたす場合もあります。これを避けるためにも、顎の違和感や痛みがあるときは、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。

顎関節症の治療を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、健康なお口=健口から健康を創り出す歯科医院として予防を中心とした歯科医療を提供しています。予防歯科や小児矯正、マウスピース矯正だけでなく、虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯、歯科ドックなども行っています。

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