こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
「インビザライン矯正は、自分の歯並びでもできる?」「インビザライン矯正はできないといわれたけれど、ほかの治療法はあるの?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。インビザライン矯正で治療できない症例はありますが、代わりの治療法を選択することで歯並びをきれいにできます。
今回は、インビザライン矯正ができない歯並びについて詳しく解説します。インビザライン矯正ができないときの代わりの治療法についても解説しているので、矯正を諦めていた方も最後までご覧ください。自分に合った治療法で、きれいな歯並びを手に入れましょう。
目次
インビザライン矯正ができない歯並び
インビザライン矯正ができない歯並びは、以下の4つです。
- 重度の出っ歯
- 重度の受け口
- 重度の過蓋咬合
- 重度の叢生
ひとつずつ解説します。
重度の出っ歯
重度の出っ歯は、インビザライン矯正で治療ができません。重度の出っ歯の治療は抜歯が必要になることが多く、歯を大きく動かすことが苦手なインビザライン矯正は不向きなためです。インビザライン矯正は、歯を後ろに平行移動させる動きも苦手なため、重度の出っ歯は適応外になります。
出っ歯は、上顎前突ともよばれ、上顎の骨が過度に成長することで上下の顎のバランスが悪くなることが原因です。上顎の成長が正常でも、下顎の発達が不十分な場合は上顎が前に出るため出っ歯になります。
骨格に問題がある場合は、矯正治療と外科手術を行う必要があるのです。
重度の受け口
重度の受け口も、インビザライン矯正の適応外です。重度の受け口は、抜歯や外科手術で上下の歯の位置関係を大きく動かして治療します。そのため、歯並びの細かな調整を得意とするインビザライン矯正は不向きなのです。
受け口は、下顎前突や反対咬合ともよばれ、下の歯や顎が上の歯よりも前に突き出している状態です。受け口は、下顎の動きが制限され、咀嚼障害や発音障害を引き起こす可能性があります。噛み合わせの異常を伴い、顎に大きな負担がかかるため矯正治療が必要です。
重度の過蓋咬合
過蓋咬合は、噛み合わせが深く、奥歯を噛んだときに下の前歯が見えない状態のことを指します。インビザライン矯正での治療が困難な歯並びの一つです。
過蓋咬合の治療では、前歯を歯茎側に動かす圧下や、奥歯を舌側の正しい位置まで引っ張り出す「挺出」という動きが必要です。インビザライン矯正はこれらの動きを苦手とするため、過蓋咬合の治療は難しいといえるでしょう。
過蓋咬合は、下顎か上顎に問題があるケースが多く、骨格自体の治療が必要な場合も多いです。歯並びはインビザライン矯正で整えられる場合もありますが、骨格の治療はできないため根本的な治療にはなりません。過蓋咬合は顎の関節に負担がかかり、放置すると顎関節症になる可能性もあるため治療が必要です。
重度の叢生
歯が重なる、捻れて生えているなどのガタガタした歯並びを叢生といいます。重度の叢生も、インビザライン矯正が苦手とする歯並びの一つです。
重度の叢生は、歯が並ぶスペースが足りないことが原因の場合が多く、スペースを確保するための抜歯が必要になるため、歯を移動させる距離が長いです。また、重度の叢生の治療では、捻れて生えた歯を回転させることや顎の小ささによって本来の位置からずれた歯を正しい位置に戻すことが必要になります。そのため、大きく歯を移動させることが苦手なインビザライン矯正では、治療が難しいのです。
重度の叢生は、虫歯や歯周病のリスクが高く、口臭や噛む力の低下にもつながるため、矯正治療で正しい歯並びに戻す必要があります。
インビザライン矯正ができないケース
歯並び以外の要因によりインビザライン矯正ができないケースは、以下の3つです。
- 歯周病が進行している
- 抜歯の本数が多い
- インプラントが入っている
ひとつずつ解説します。
歯周病が進行している
重度の歯周病の場合、インビザライン矯正をはじめとした歯列矯正は難しくなります。歯列矯正は歯を動かす治療のため、歯を支える骨がしっかりしている必要があるからです。
歯周病は、歯茎が炎症を起こし腫れや出血の症状を引き起こす病気で、進行すると炎症が骨まで広がり、骨を溶かします。骨が溶けた状態では、歯列矯正による強い力に歯が耐えられずに抜けることがあるのです。歯周病で炎症が長引いた骨は再生しない場合も多く、歯列矯正後の正しい位置で歯を定着させることもできません。そのため、重度の歯周病ではインビザライン矯正をはじめとした矯正治療が困難となるのです。
矯正治療を検討している方は、日々のブラッシングで歯周病を予防しましょう。現在歯周病の症状がある方は、歯周病の治療をしてから矯正治療を行ってください。
抜歯の本数が多い
抜歯の本数が多いと、インビザライン矯正では治療できない場合があります。
歯並びによっては、歯を移動させるスペースを確保するために、抜歯を行う場合があります。抜歯の本数が多いと歯の移動距離が増えるため、歯を小さく動かすことが得意なインビザライン矯正では対応できないのです。
インビザライン矯正で、抜歯で空いたスペースにほかの歯を移動させるには膨大な時間が必要です。そのため、インビザライン矯正とワイヤー矯正を併用する、インビザライン矯正以外の方法を選択する必要があるでしょう。
インプラントが入っている
インプラントが入っている方は、インビザライン矯正の対象外です。
インプラントは、顎の骨に人工歯の土台となるネジを埋め込んでいるため、矯正の力を加えても動きません。歯列矯正の対象はあくまでも天然の歯であるため、インプラント部分は対象外です。
インビザライン矯正ができない場合の治療法
インビザライン矯正の適応外となった方は、以下の方法で治療が可能な場合があります。
- ワイヤー矯正
- 裏側矯正
- ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用
ひとつずつ解説します。
ワイヤー矯正
インビザライン矯正ができない場合の代表的な治療方法は、ワイヤー矯正です。ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットとよばれる装置を取り付け、ブラケットにワイヤーをかけて力を加えて矯正する治療方法です。
ワイヤー矯正は歯を大きく動かすことができるため、重度の叢生や重度の出っ歯などの治療にも向いています。ワイヤーで締め付けるためインビザラインよりも強い力が加わり、歯を早く動かせます。
インビザライン矯正とは異なり、ブラケットやワイヤーは自力で取り外すことはできません。ワイヤー矯正の見た目が気になる方は、クリアブラケットという透明や白色のワイヤー矯正装置を使うことも可能です。歯と同系色で殆ど目立たないため、治療中のストレスを軽減できるでしょう。
ワイヤー矯正はほとんどの歯並びの治療が可能なため、インビザライン矯正ができないといわれた方も、諦めずに歯科医師に相談してください。
裏側矯正
裏側矯正で治療をする方法もあります。裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法で、矯正装置が正面から見えず目立ちにくいことが特徴です。
ワイヤー矯正と同様に、裏側矯正もほとんどの歯並びの治療が可能です。裏側矯正は、歯を内側に引っ張る動きを得意とするため、出っ歯や受け口の治療に適しています。
また、裏側矯正は、虫歯や歯周病になりにくいメリットもあります。歯の裏側は唾液で常に潤っているため、虫歯菌を洗い流す環境が整っているためです。エナメル質は歯の表側より裏側のほうが厚く、虫歯菌の出す酸に対して強い耐性をもつことも、虫歯になりにくい要因といえるでしょう。
歯の裏側は複雑な形をしているので、一般的なワイヤー矯正よりも装置を取り付けるのが難しいです。そのため、高い技術と豊富な経験を持つ歯科医師でないと対応できないことが多く、一般的なワイヤー矯正よりも治療費が高いことがデメリットといえるでしょう。
ワイヤー矯正とインビザライン矯正の併用
インビザライン矯正が難しい場合、インビザライン矯正とワイヤー矯正を併用して治療する方法があります。インビザライン矯正が苦手とする歯の大きな動きをワイヤー矯正で行い、ある程度歯並びが整ってからインビザライン矯正を使用するのです。
インビザライン矯正は、噛み合わせの調整や細かい歯の動きが得意なので、矯正中期〜後期にかけて力を発揮します。ワイヤー矯正とインビザライン矯正を併用すれば、矯正中の見た目を気にする方にとっても治療のハードルが下がるでしょう。
ワイヤー矯正を取り入れることで、インビザライン矯正での治療が難しい歯並びも治療可能になります。
まとめ
今回は、インビザライン矯正ができない歯並び・ケースを解説しました。
インビザライン矯正は、歯を大きく動かすことが苦手なため、重度の出っ歯、重度の受け口、重度の過蓋咬合、重度の叢生は治療できない場合が多いです。また、歯周病が進行している方や、多くの抜歯が必要な歯並び、インプラントが入っている場合も、インビザライン矯正での治療はできません。
インビザライン矯正ができない場合は、ワイヤー矯正、審美性の高い裏側矯正、ワイヤー矯正とインビザライン矯正を併用することで治療が可能になります。インビザライン矯正ができない場合でも代わりの治療法があるため、矯正治療を諦める必要はありません。インビザライン矯正の審美性の高さをメリットに感じていた方は、ワイヤー矯正でクリアブラケットを使用する、裏側矯正にするなど、治療によるコンプレックスを軽減しながらきれいな歯並びを目指しましょう。
歯科矯正を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。