こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
近年、マウスピース型の矯正装置を装着することで矯正治療を行う「インビザライン」が注目されています。
しかし、なかには「インビザラインで噛み合わせが悪化した」と感じている方がいらっしゃるようです。
今回は、インビザラインでの噛み合わせ治療の可否、噛み合わせが悪くなる原因や対処法について詳しく解説します。インビザラインをご検討中の方や治療中の方は、ぜひ参考にしてください。
正しい噛み合わせとは
はじめに、一般的な正しい噛み合わせについてポイントを解説します。
歯の上下左右が対称かつ顔貌と一致している
歯の上下左右が対称であり、なおかつその正中線が顔の正中と一致していることが理想です。この条件が満たされることで、横顔やEラインがきれいにみえます。
力を入れずに口を閉じることができる
歯並びに重度の問題があると、お口を簡単に閉じることができなくなります。力を入れずに簡単に閉じることができるかどうかがポイントです。
オーバージェットやオーバーバイトが2~3㎜以内である
オーバージェットとは、前歯の前後の位置関係のことをさします。オーバーバイトとは、上下の噛み合わせの深さの度合いのことをさします。
オーバージェットでは、上の前歯が舌の前歯より2~3㎜程度前に出ているのが理想です。また、オーバーバイトでは、噛み合わせの深さが2~3㎜程度であることが理想とされています。
これは、正面から見たときに、上の前歯に下の前歯の4分の1程度が覆われている状態です。そのため、どちらも2㎜以下である場合や4㎜以上の場合は、何かしらの噛み合わせの問題があると考えられます。
歯がすべて生えそろっている
正しい噛み合わせには、永久歯が28本生えそろっていることが大切です。親知らず以外の永久歯に過不足があると、噛み合わせに影響をおよぼします。
歯がまっすぐ生えている
歯にねじれがみられず、まっすぐに生えている状態が理想です。
歯と歯の間に大きなすき間がない
永久歯が生えそろったときに、歯と歯の間にすき間がなく、ぴったり並んでいるように見えることが理想です。歯と歯の間に大きくすき間があいた状態を「空隙歯列(くうげきしれつ)」とよび、一般的には「すきっ歯」として知られています。
インビザラインで噛み合わせを治療できる?
インビザラインでは、噛み合わせに配慮した歯列矯正が可能です。
歯並びや見た目の問題があり、歯列矯正をする方も多いでしょう。
しかし、歯列矯正の本来の目的は「歯並びや噛み合わせの改善により、お口の機能を向上させること」です。そのため、インビザラインの目的のひとつとして、噛み合わせの改善も行うことができます。
インビザラインで噛み合わせが悪くなる原因
「インビザラインで噛み合わせが改善しない」「噛み合わせが悪化する」という話を聞いたことはありませんか。インビザラインで噛み合わせが改善しないことや悪化することには原因があります。以下、詳しく解説します。
マウスピースの装着時間を守っていない
インビザラインのマウスピースは、1日20~22時間以上装着する必要があります。飲食や歯磨き以外は装着することが基本です。
しかし、マウスピースは簡単に取り外すことができるため、患者さまの意識によって装着時間が変わってしまいます。インビザラインでは、装着時間が守られていることを想定して治療計画がたてられているため、装着時間が足りないと治療計画から逸脱することがあります。
結果的に、なかなか噛み合わせが改善せず、後戻りしやすくなるため「噛み合わせが思うように改善しない」「噛み合わせが悪化した」と感じる原因となるでしょう。
マウスピースの装着方法を誤っている
マウスピースの装着は患者さまご自身で行います。そのため、正しいマウスピースの装着方法を身につける必要があります。
インビザラインでは、もとの歯並びから多少ずれるようにマウスピースが作製され、ずれによって一定の力が加わることで歯を少しずつ移動させていきます。そのため、マウスピースがぴったり装着できていないと歯を理想の位置へ移動できません。
また、インビザラインでは治療計画にそってマウスピースを交換する必要があります。交換時期が守られていないと治療計画から逸脱してしまい、歯並びの改善を遅らせる原因となるでしょう。
マウスピースが破損・変形している
マウスピースが破損・変形していると、歯とマウスピースが合わず理想とする方向と別の方向に力が加わってしまいます。結果的に、歯並びや噛み合わせが悪化する原因となります。それだけではなく、口腔粘膜を傷つけ感染症などを引き起こすリスクもあるでしょう。
治療に影響する口腔習癖がある
口腔内や唇などで無意識に行っている癖のことを「口腔習癖(こうくうしゅうへき)」といいます。例えば、指しゃぶりや歯ぎしりなどが挙げられます。
口腔習癖により、マウスピースの変形やずれが起こり、治療に影響を及ぼします。また、せっかく手に入れた理想の歯並びが後戻りする原因となります。
口腔ケアが不足している
口腔ケアが不足し、口腔内が汚染された状態のままマウスピースを装着すると、マウスピースが密着せず浮く原因となります。それだけではなく、汚染された状態が続くことで虫歯のリスクも高くなります。
虫歯になると、虫歯の治療によってインビザラインの治療が遅れ、歯並びや噛み合わせの改善まで遅れてしまうでしょう。
インビザラインで噛み合わせが悪くなったときの対処法
では、インビザラインで噛み合わせが悪くなったと感じたら、どのように対処したらよいのでしょうか。
以下、対処法について解説します。
歯科医師へ相談する
「噛み合わせが悪くなった気がする」「噛み合わせがなかなか改善しない」と不安を感じたら、歯科医師へ相談しましょう。
そもそも、インビザラインでの歯列矯正は、短期間で噛み合わせが改善するものではなく、半年から数年という長期間かけて少しずつ噛み合わせを改善していくものです。そのため、計画どおりに治療が進んでいても「噛み合わせが改善しない」と感じることがあります。
まずは、焦らずに歯科医師へご相談いただき、治療がスムーズに進んでいるかどうか診察してもらいましょう。実際に噛み合わせが悪くなっていても、原因や対処法を教えてもらえます。おひとりで悩まずに早めにご相談されるのがよいでしょう。
マウスピースの装着方法を見直す
マウスピースの装着時間が1日20~22時間の指示が守れているか、正しい着脱方法ができているか見直してください。マウスピースの正しい装着方法は、歯科医師や歯科衛生士から指導を受けることができます。
また、マウスピースを装着する際に専用の「アライナーチューイー」とよばれるシリコンでできた棒状のものを使用することで、マウスピースを歯にしっかり密着させることができるでしょう。
口腔内を清潔に保つ
虫歯治療や口腔内の汚染で治療が遅れることのないよう、口腔ケアを徹底しましょう。
歯ブラシのみでなく歯間ブラシやフロスを積極的に使用し、汚れを効率的に除去していくことが大切です。また、矯正中も歯科医院にて定期的に歯の状態を確認してもらい、異常の早期発見やクリーニングをしましょう。
マウスピースの破損・変形があったら装着をやめる
マウスピースの破損・変形を発見した場合は、そのままマウスピースを装着せず、早めに歯科医院を受診して新しいマウスピースへ交換してもらいましょう。
また、マウスピースを外したあとはケースに保管し、洗浄の際は熱湯を使用しないようにしましょう。マウスピースの破損や変形を予防することが大切です。
まとめ
今回は、インビザラインで噛み合わせが悪化する原因や対処法について解説しました。
正しく治療が行われていれば、噛み合わせが悪化することなく、理想の歯並びを手に入れることができます。インビザラインでは、マウスピースの正しい装着方法や管理方法を身につけ、理想の歯並びを手に入れましょう。
インビザラインを検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。