こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
「インビザラインの矯正を考えているけど、喋りにくくなると聞いた」「接客業のためインビザラインで喋りにくくなるのは困る」などの疑問や不安を抱く方は多いようです。実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、近年人気のインビザライン矯正をお考えの方に、マウスピース装着中に喋りにくくなる原因や対処法について解説します。
目次
インビザラインで喋りにくくなることがある?
まず、結論からいうと、インビザラインを装着することで喋りにくくなることはあるといえます。そのため、取り外しができない矯正治療と違い、インビザラインのマウスピースであれば、喋るときにマウスピースを外せばよいと考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、取り外しができるといっても、1日20~22時間以上はマウスピースを装着しないといけないため、喋るときに外すことは避けるべきでしょう。インビザラインで喋りにくくなることがあっても、しっかり対処すれば問題ありません。
インビザラインで滑舌が悪くなる?
インビザラインで滑舌が悪くなったと感じる方がいらっしゃいます。インビザラインを装着したばかりの頃に違和感がある方が多く、インビザライン装着が億劫になってしまうこともあるようです。
インビザライン装着中に滑舌が悪くなる五十音には偏りがあります。発音に影響が出やすいのは、上前歯の裏側と舌の先を接触させて発音する音です。「さ行」「た行」「な行」「ら行」がこれにあたります。以下、それぞれ解説します。
➀さ行
破擦音とよばれる音です。舌先の位置や息を出す方向や勢いなど、もともと発音自体が難しい五十音のひとつです。インビザライン装着で舌先の位置などが絶妙に変わり、発音しにくくなることがあります。
②た行・な行・ら行
破裂音とよばれる音です。さ行とは発音方法が若干違い、上顎に舌をあてて音をつくります。これらの音も上顎に舌先をあてて作る音のため、インビザライン装着で影響が出やすいとされています。
③英語の「th」
近年、仕事で英語を使用する方も少なくありません。英語における「th」は五十音でいうところの「さ行」にあたります。
ただし、発音はご自身が「喋りにくい」「滑舌が悪くなった」と感じていても、実際に周りが聞くと変化がないこともあります。ほかの方から指摘されたわけではないのであれば、滑舌はあまり気にせず、日常生活や仕事をしてもよいのではないでしょうか。
また、時間の経過とともに喋りにくさは軽減していくことが多いようです。
インビザラインで喋りにくいと感じる原因
インビザライン装着中に喋りにくいと感じるのは、どのような理由があるのでしょうか。まず、どのようなときに喋りにくいのかということを理解してから対処方法を考えましょう。
インビザライン装着中に喋りにくいと感じるときは、以下のとおりです。
インビザラインが舌に接触しているとき
インビザラインは歯に密着するオーダーメイドのマウスピースですが、少なからず口腔内の空間は狭小します。本来であれば歯と舌を接触させずに発生する五十音であっても、物理的にあたってしまうことで喋りにくさを感じてしまうでしょう。
インビザライン装着の厚みで口が閉じにくいとき
インビザライン矯正をはじめたばかりの方によくあることですが、インビザラインの装置に異物感があり、無意識に開口することがあります。開口が原因でお口の中が乾燥し、唾液の分泌量が変化することで、喋りにくいと感じる方がいらっしゃるようです。
インビザラインの装着不良があるとき
インビザラインが歯に密着しておらず、わずかに浮いているだけでも舌の動かしにくさを感じ、喋りにくくなります。
インビザラインが変形しているとき
インビザラインが変形している場合は、インビザラインがしっかり歯に装着されていなかったり痛みを感じたりする場合があります。異物感や痛みが気になり、喋りにくくなることがあります。
インビザラインで喋りにくさが気になるときの対処法
インビザライン装着中に喋りにくくなることは珍しくありません。喋りにくいということは、QOL(生活の質)の低下やストレスに直結します。ここでは、ご自身で比較的簡単にできる対処法を解説します。ぜひ参考にしてください。
インビザラインに慣れるまで待つ
まず、インビザラインを始めたばかりの方や新しいインビザラインに変更したばかりの方は、異物感が強く喋りにくいということが考えられます。インビザラインは2~3枚目になると装着に慣れてくるといわれているため、装着を続けて軽快するかどうか待ちましょう。
インビザラインの装着不良をなくす
インビザラインの装着不良やマウスピースの変形があると、口腔内が狭小します。着脱時の変形を防ぐためにリムーバーを使用し、確実な装着のためにチューイを使用すると、対処できる可能性が高まるでしょう。
発音を確認してみる
インビザラインの滑舌の悪化は「喋りにくい」と感じているだけで、実際の聞こえ方は変化がない場合があります。ご自身の声を録音して音声を聞いてみましょう。本当に聞き取りにくくなっている場合であれば、どの音で滑舌が悪くなっているか分析するきっかけとなるでしょう。
発音トレーニングをする
喋りにくい音をトレーニングして、しっかり発声できるように改善しましょう。以下、おすすめのトレーニング方法をご紹介します。
➀母音だけでことばを発声する訓練をする
母音だけでことばを発声すると聞くと、難しそうに感じるかもしれません。
しかし、意外と発声方法は簡単です。例えば「おはようございます」を「おあおうおあいあう」と発生し「ありがとう」を「あいあおう」と発声します。母音はことばの土台といわれる大切な音です。母音をしっかり発声できれば、聞き取りやすい発声につながるでしょう。
②早口言葉を練習する
ただでさえ難しい早口言葉は、インビザラインを装着することでさらに難しく感じるでしょう。
しかし、早口言葉は、滑舌を鍛えるトレーニング方法として言語聴覚士のリハビリテーションなどでもよく採用されています。おすすめの早口言葉は、さ行・た行・な行・ら行が含まれる早口言葉です。
例えば「バナナの謎はまだ謎なのだぞ」や「生麦生米生卵」など、有名なものでかまいません。早く言うことに特化せず、少しスピードは落ちても正確に発音することが滑舌の改善に役立ちます。
③大きく口をあけて話す習慣をつける
口腔内で音がこもってしまうと滑舌が悪く聞こえる原因となってしまいます。意識的に口を大きくあけて喋りましょう。口腔内に空間を作ることは、発声するうえでとても大切です。口を大きくあける習慣をつけることで、口唇や頬などの筋肉も鍛えられるため、よりよい滑舌につながります。
以上、3つのトレーニング方法をご紹介しましたが、なによりも大切なのは、インビザラインを装着した状態でたくさん喋ることです。より早く自然に喋れるようになりたい方は、とにかく会話することで、インビザライン装着中の舌の使い方や口の開け方に慣れていくでしょう。
困ったときは歯科クリニックへ
「あまりにも滑舌が悪くなった」「相手に聞き取ってもらえない」「仕事に支障をきたす」「インビザラインを装着してから、しばらくしても解決しない」などのトラブルがあった際は、インビザライン自体に不具合があり、医療機関や業者での対応が必要な可能性もあります。その場合は、歯科医師など専門的知識のある方にご相談ください。
まとめ
今回は「インビザラインで喋りにくいと感じる原因と対処法」について解説しました。
インビザライン装着時の「喋りにくさ」や「滑舌の変化」は、よくあるトラブルのひとつです。
しかし、喋りにくいことが原因で矯正治療を断念するのはもったいないです。改善策を見つけて、理想の歯並びを手に入れましょう。
また、結婚式のスピーチや面接試験など、どうしても大事な場面で喋りにくいことに困っている方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、短時間であればインビザラインを外すことで対応できます。喋りにくくなるのは困るからとインビザライン矯正を諦めるのではなく、素敵な口元を手に入れましょう。
インビザラインを検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。