こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザラインは、世界で1,600万人以上の方が治療を受けています。多くのメリットがある治療ですが、歯茎が下がるということをデメリットに挙げる方もいます。
今回は、インビザライン矯正をするとなぜ歯茎が下がるのかについて詳しく解説します。インビザライン矯正で歯茎が下がらないようにする方法もあわせて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インビザライン矯正で歯茎が下がる原因
何らかの原因で歯茎が下がることを、歯肉退縮といいます。歯の周りの歯茎が下がったり減ったりした結果、歯根が露出した状態になることもあります。
インビザライン矯正だけでなく、矯正治療には歯茎が下がるリスクがあります。その理由は、歯槽骨に負荷をかけ、骨の吸収と再生を利用して歯を動かすからです。
インビザライン矯正で歯茎が下がる原因としては、次のことが挙げられます。
歯とマウスピースが不衛生
歯とマウスピースが不衛生な状態だと、歯茎に炎症が起こって歯周病になるリスクがあります。歯周病になると、歯槽骨が吸収されて歯茎が下がっていきます。
指示通りにマウスピースを装着していない
インビザライン矯正は、1日20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。装着時間が20時間未満だった場合には、計画通りに治療が進みません。
治療計画は1日20時間以上マウスピースを装着する想定で立てられています。適切に歯の移動が進んでからマウスピースを交換する想定ということです。
治療計画通りに歯が移動していないのに新しいマウスピースを装着すると、歯や歯茎、顎の骨に過剰な力がかかって歯茎が下がってしまうのです。
誤った方法のブラッシング
歯磨きの際に、強い力をかけていることや、硬い歯ブラシを使っていることが原因で、歯茎が下がることもあります。虫歯や歯周病のリスクを減らすために神経質になって歯磨きをする方もいるかもしれません。
しかし、過度な歯磨きも歯茎が下がる原因となるため注意しましょう。誤ったブラッシングを続けているところにインビザライン矯正による刺激が加わると、歯茎が下がりやすくなるのです。
歯茎が下がるとどのような影響がある?
インビザライン矯正で歯茎が下がった結果、さまざまな影響を口腔内に与えてしまいます。ここからは、歯茎が下がることでどのような影響があるのかを解説します。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
そもそも歯根は歯肉に覆われている部分なので、歯根部分はエナメル質には覆われていません。エナメル質に覆われていないということは、ほかの部分よりも弱い部分といえます。
歯茎が下がってエナメル質に覆われていない部分がむき出しとなった結果、この部分が虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。
また、歯茎が下がることで、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなります。しっかりとブラッシングをしないと、歯垢や歯石が溜まることがあるでしょう。
歯周病の場合は進行すると歯が抜けてしまうリスクもあるため、せっかくの矯正治療が無意味になってしまうかもしれません。
見た目に影響が出る
歯茎が下がると、歯が長く見えて老けた印象になることがあります。下がった歯茎を戻すには専門的な治療を受けねばなりませんが、十分な効果が出るとは限りません。
矯正治療が終了しても歯茎が下がったままになる場合もあり、歯並びがよくなっても口元へのコンプレックスが解消されない可能性もあるでしょう。とくに審美目的で矯正治療をした方にとっては、大きなリスクになり得ます。
知覚過敏となる
前述したように、歯の根元は本来歯肉が守っている部分のため、エナメル質に覆われていません。歯茎が下がると象牙質がむき出しの状態になるため、外からの刺激に弱くなります。
痛む、沁みるなどの症状が現れやすくなるでしょう。
インビザライン矯正で歯茎が下がったときの対処法
インビザライン矯正で歯茎が下がったときに、自分自身で対処することはむずかしいです。そのため、インビザライン矯正を受けている歯科医院へ相談しましょう。
インビザラインを調整したり、治療計画を変更したりといった対処をすることで、歯茎の状態を改善できる可能性があります。
しかし、これらをおこなっても改善しない場合もあるでしょう。歯肉が過度に下がっている場合には、インビザライン治療を中止しなければならないかもしれません。
下がった歯茎は自然に戻らないので、医師が処置する必要があります。知覚過敏の症状がある、歯茎が痩せて見えるようになった、歯がグラグラする、歯茎に強い痛みがあるという方は、すぐに歯科医院を受診しましょう。対処が遅れた場合、歯が抜け落ちる可能性があります。
インビザライン矯正で歯茎が下がるのを予防する方法
歯茎の厚みがない方や歯列を拡大する必要がある歯並びの方は、インビザライン矯正で歯茎が下がりやすいといわれています。30代を超えるとそもそも歯茎が下がりやすくなることから、インビザライン矯正による歯肉退縮のリスクも高まるでしょう。
そのため、積極的に歯茎が下がるのを予防しておきましょう。インビザライン矯正で歯茎が下がるのを予防する方法は、次のとおりです。
マウスピースの装着時間を守る
マウスピースの装着時間を守らずにいると、治療計画通りに歯が動きません。次のマウスピースを装着したときに、歯茎が下がるリスクが高まります。
そのため、マウスピースの装着時間を必ず守りましょう。マウスピースの装着時間は歯科医師が決めるため、歯科医師の指示に従ってください。
マウスピースの装着時間が守れなかった場合には、次のマウスピースを装着する前に歯科医師に相談すると良いでしょう。マウスピースを交換するタイミングを調整してもらうなど、適切に対処できます。
マウスピースの不具合をそのままにしない
マウスピースをつけて違和感があった場合には、マウスピースに不具合が生じているかもしれません。不具合をそのままにしていると、インビザライン矯正が計画通りに進まなくなり、歯茎が下がることにもつながります。
また、不具合のあるマウスピースによって、歯茎がダメージを負うかもしれません。マウスピースに不具合があった場合にも、歯科医院を受診してマウスピースを調整してもらいましょう。
自分では不具合があると感じにくいかもしれません。マウスピースを装着したときに違和感があったり、歯茎にあたって痛いと感じたりした場合には、歯科医師に相談してください。
正しいブラッシングで歯を清潔にする
誤ったブラッシングによって歯が不衛生な状態が続くと、歯周病になるリスクが高まります。歯周病になれば歯茎が下がりやすくなるため、正しい方法でブラッシングをして清潔にすることも大切です。
このとき、硬い歯ブラシでごしごしと磨くのではなく、やわらかい歯ブラシで優しく磨きましょう。大きくストロークするのも歯茎を傷める原因となるため、やさしくこまかく歯ブラシを動かしてください。
歯茎が下がり始めると歯と歯茎の間のすきまができ、汚れが溜まりやすくなります。そのため、歯茎に沿った念入りなブラッシングも大切です。
毎日のセルフケアはもちろんですが、歯茎が下がっていないかのチェックも兼ねて定期的に歯科医院でクリーニングもしてもらいましょう。マウスピースも装着前には水でしっかりと洗うようにして、歯とマウスピース双方の清潔を保ちましょう。
まとめ
インビザライン矯正に限らず、矯正治療には歯茎が下がるリスクがあります。インビザラインで歯茎が下がる原因には、治療が予定通りに進んでいないことが挙げられるでしょう。
歯茎を下げる原因には歯周病も関係しています。不衛生な歯やマウスピースのまま過ごすと歯周病につながり、歯茎を下げてしまうでしょう。
一度下がった歯茎はすぐには戻らず、最悪の場合はインビザライン矯正を中断せざるを得なくなります。そのため、歯茎が下がらないようにしっかりと対策をしましょう。
歯茎が下がった場合には、セルフケアでは元に戻せません。歯茎が下がっていると感じたら歯科医院を受診して対処してもらいましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。