こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザラインは、透明で薄いマウスピースを使用した矯正方法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、取り外し可能で見た目を気にせずに治療できるため、人気があります。
ただし、インビザラインでは1日に20~22時間以上マウスピースをつける必要があります。治療の効果や期間は、患者さまの自己管理能力に左右されるのです。
治療は長期に渡るので、マウスピースをつけ忘れることもあるかもしれません。そのような場合「治療に影響が出るのではないか」と不安を抱く方も多いでしょう。
今回の記事では、インビザラインのマウスピースを1日つけ忘れたときのリスクについて解説します。マウスピースのつけ忘れを防止するための対策や、つけ忘れた際の対処法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインのマウスピースを1日つけ忘れたときのリスク
インビザラインのマウスピースを1日つけ忘れただけでは、治療効果や治療期間への影響はほとんどありません。
インビザラインは、1週間ほどで歯が約0.25mm動くように作られています。したがって、1日で歯が動く距離は約0.03mmです。この程度のわずかなズレであれば、治療効果や治療期間への影響はほとんどないと考えられ、歯が元の位置に戻る後戻りも起きません。
ただし、マウスピースのつけ忘れが頻繁に続いたり、長期間にわたってマウスピースをつけ忘れたりすると、以下のような悪影響が出る可能性があります。
治療期間が延びる
マウスピースの1日の装着時間を守らないと、治療計画通りに歯を動かせないため、治療期間が延びる可能性があります。
インビザラインで歯にかかる矯正力は小さいため、マウスピースを長時間装着して継続的に矯正力を加えて歯を動かします。マウスピースを頻繁に取り外したり、長期間つけ忘れたりした場合は、治療計画通りに歯を動かせません。
さらに、矯正によって動いた歯には、元の位置に戻ろうとする後戻りの力が働きます。マウスピースは歯の後戻りを防ぐ役割も果たすため、マウスピースの装着を忘れると歯が元の位置に戻る可能性が高まります。
マウスピースがつけられなくなる
マウスピースを長期間つけ忘れた場合、歯の後戻りが生じてマウスピースが合わなくなり、つけられなくなる可能性があります。仮につけられたとしても、痛みや締め付けを感じるなど、マウスピースが合わなくなっている可能性が高いです。
そのような場合は、治療計画の見直しやマウスピースの追加をする必要があるため、早めにかかりつけの歯科医師に相談しましょう。マウスピースの追加には、別途費用がかかることが多いです。
歯肉退縮が生じる
マウスピースをつけ忘れることが続くと、計画通りに歯が動きません。無理に次のマウスピースをつけると、通常よりも大きな矯正力が歯に加わるため歯肉退縮を生じる場合があります。
歯肉退縮とは歯茎が下がる現象のことで、歯の根元が露出して歯と歯の隙間が目立つようになります。審美性が下がるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクが高くなるため注意が必要です。
また、一度下がった歯茎が自然に回復することはありません・。専門的な治療が必要になります。
どのようなときにマウスピースのつけ忘れが起こりやすい?
インビザラインの治療期間は一般的に約2~3年かかり、その長い治療期間の中でマウスピースをうっかりつけ忘れてしまうこともあるでしょう。
しかし、マウスピースを頻繁につけ忘れると、矯正の成果や治療期間に影響を与えます。つけ忘れを防ぐことが重要でしょう。
マウスピースのつけ忘れを防止するためには、どのような場面でつけ忘れが生じやすいのかを把握しておくことが大切です。マウスピースのつけ忘れが特に起こりやすい場面は、以下の4つの場面です。
- 食事や歯磨きの後
- 飲み会や会食などの外食の時
- 旅行中
- 口の中に違和感や痛みがある時
インビザラインでは1日に20~22時間以上マウスピースを装着する必要がありますが、食事や歯磨きの際には外すことができます。これはインビザラインの利点でもありますが、着脱可能だからこそつけ忘れが起きやすくなっています。
上記の場面では、特にマウスピースのつけ忘れが多いことを意識して、忘れずにつけるように注意しましょう。
インビザラインのマウスピースのつけ忘れを防止するためには
インビザラインの治療を計画通りに進め、美しい歯並びを手に入れるためには、マウスピースのつけ忘れを防ぎ装着時間を守ることが非常に重要です。以下、マウスピースのつけ忘れを防止するための3つの対策をご紹介しますので、参考にしてください。
自分のルールを決めて習慣化する
マウスピースのつけ忘れを防ぐためには、マウスピースの装着を習慣化することが大切です。習慣化させるための有効な方法として、If-Thenルールという行動手法があります。簡単に取り入れられるため、ぜひ活用してみましょう。
If-Thenルールとは「AをしたらBをする」という自分ルールを設定することです。例えば、食事や歯磨きの後はマウスピースのつけ忘れが多いため、食後に歯磨きをしたらマウスピースをつけるという自分ルールを作ります。
こうすることで、食後の歯磨きの後にマウスピースをつけることが習慣化され、つけ忘れを防ぐことができます。
食事や歯磨きを毎日同じ時間にする
食事の時間を毎日固定して、マウスピースの着脱を決められたサイクルで行う習慣をつけることも非常に効果的な方法です。同時に規則正しい生活も身に付くので、健康にもよい影響を与えます。
スマートフォンのリマインド機能を活用する
スマートフォンのリマインド機能は、マウスピースのつけ忘れを防止するのに有効な機能です。食事や外食などのイベントが終わる頃に、通知やアラームが鳴るように設定しておくことでつけ忘れを防ぐことができます。
また、マウスピースの交換時期も通知がくるように設定しておくことで、忘れずに交換ができるでしょう。
外出時には予備のマウスピースを持ち歩く
外出時にマウスピースを破損・紛失する可能性も考えられます。外出時のトラブルに備えて、外出時には1つ前のマウスピース、もしくは1つ後のマウスピースを予備として持ち歩きましょう。
外出先でのトラブルの際には予備のマウスピースを使用して、装着時間が短くならないように対応します。また、予備のマウスピースを持ち運ぶ際には、マウスピースが変形しないように必ずケースに入れましょう。
長期間の旅行や出張の際の予期せぬトラブルに備え、予備のマウスピースを持ち歩く習慣を身につけましょう。
インビザライン専用のアプリを活用する
インビザラインの治療をサポートするための専門のサポートアプリがあります。このアプリには、マウスピースをつける時間や交換時期のリマインド機能が備わっています。つけ忘れや交換忘れを防ぎ、治療のサポートをしてくれます。
さらに、アプリを使って治療の進捗状況や歯並びの変化を確認することもできるため、治療のモチベーションアップにもつながるでしょう。
インビザラインのマウスピースを1日つけ忘れたときは
前述したように、インビザラインのマウスピースを1日つけ忘れても、矯正の成果や治療期間に影響はありません。マウスピースを1日つけ忘れた場合は、装着期間を1日追加して対応します。
ただし、1週間近くつけ忘れてしまった場合や、頻繁につけ忘れている場合は、歯が治療計画通りに動いていないだけでなく、後戻りが生じている可能性があります。後戻りによってマウスピースが合わなくなり、装着できないケースもあるでしょう。
そのような場合はマウスピースを無理につけず、早めにかかりつけの歯科医師に相談してください。
まとめ
今回は、インビザラインのマウスピースをつけ忘れたときのリスクについて解説しました。1日程度のつけ忘れであれば、治療効果や治療期間に影響はありません。つけ忘れた場合は、装着期間を1日伸ばして対応します。
しかし、マウスピースを頻繁につけ忘れる場合は、治療計画通りに歯が動かず、後戻りの原因にもなります。
インビザラインの治療効果は、患者さまがどれだけマウスピースを装着できるかに左右されます。治療を成功させるためにも、マウスピースのつけ忘れが起きやすい場面を把握し、つけ忘れ防止対策を取り入れましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。