こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザライン矯正をしていたら、口臭がきつくなったと感じる方は少なくありません。日本人の約8割が口臭を気にしているといわれていることもあり、インビザライン矯正による口臭は矯正継続を悩むほど気になってしまうかもしれません。
本記事では、インビザライン矯正中に口臭がきつくなる原因と、対策について詳しく解説します。現在口臭が気になっている方や、これからインビザライン矯正をしようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
インビザライン矯正中に口臭がきつくなる原因
一般的に、口臭は思春期と中高年がより強く感じるといわれています。この年代に該当しない上にインビザライン矯正を開始してから口臭が気になるようになったという方は、口臭の原因はインビザライン矯正の可能性が高いです。
インビザライン矯正中に口臭がきつくなる原因は、次の通りです。
マウスピースが汚れている・歯を磨けていない
矯正治療をしていると、していない時よりも歯磨きがしにくくなります。インビザライン矯正では矯正器具を外せるため、ほかの矯正と比較しても歯磨きはしやすいとされています。
しかし、唾液の循環が悪くなるので通常よりは細菌が発生・繁殖しやすい環境になります。アタッチメントをつけている場合、凹凸ができるのでより磨き残しが発生しやすいでしょう。
歯をきれいに磨けていなかったり、マウスピースが汚れていたりすると、口臭の原因になり得ます。
口の中が乾燥している
矯正中は、歯を動かす関係上一時的に噛み合わせが悪くなり、口が閉じにくくなることがあります。口が閉じにくくなると、口の中が乾燥しやすくなり口臭の原因となる細菌やウイルスが増殖するでしょう
また、ストレスは唾液の分泌量を減らすといわれています。インビザライン矯正のマウスピースが常に口の中にあることや、マウスピースを管理することにストレスが溜まっている場合、唾液の分泌量が減り口臭を発生させている可能性があるでしょう。
インビザライン矯正中の口臭は放置してはいけない?
インビザライン矯正中に口臭が発生した場合「矯正が終われば口臭も改善されるだろう」「口臭はどうにもできない」と諦めて放置する方もいるかもしれません。
しかし、インビザライン矯正中の口臭を放置してはいけません。インビザライン矯正中の口臭を放置するとさまざまなリスクにつながります。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
口臭が発生しているということは、口腔内で何らかの細菌が繁殖している可能性があります。これらの細菌は、虫歯や歯周病の原因になる可能性があるのです。
口臭の主な原因は、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物と考えられています。歯周病の原因菌は、特に硫化水素より強い悪臭を放つメチルメルカプタンを大量に産生するといわれています。
歯周病は口臭をきつくするリスクがあり、放置すればするほどどんどん口臭がきつくなるでしょう。歯周病や虫歯が口臭の原因の場合は、治療しなければ歯を失うことにつながりかねません。
矯正治療がうまく進まない可能性がある
口臭の原因がマウスピースの汚れだった場合、治療が計画どおりに進まない可能性があります。汚れがマウスピースに付着していると、歯とマウスピースがうまく密着せず適切な矯正力がかからないためです。
マウスピースに悪臭が移った場合は、指示された時間マウスピースを装着することを苦痛に感じるかもしれません。装着時間が足りなくなると、歯の移動が計画どおりに進まないでしょう。
他の病気の可能性がある
虫歯や歯周病といった口の中の病気以外でも、口臭が強くなることがあります。口臭の90%は口の中や歯の病気が原因とされていますが、10%程度は鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因です。
他の病気が原因の場合、病気の治療が優先するべきでしょう。インビザライン矯正を中断することにつながる可能性が高いです。
次のような口臭がする場合には、なるべく早めに歯科医院に相談してください。
- たんぱく質が腐ったような臭い:呼吸器、消化器、耳鼻科系の病気の疑い
- 甘い臭い:咽頭、肺、気管支へのカンジダ感染
- アンモニア臭:肝臓の病気
- アセトン臭:糖尿病
病気が悪化すると、全身にさまざまな影響を及ぼすでしょう。早期に治療を始められれば、影響を最小限に抑えられます。
インビザライン矯正中の口臭を予防する方法
インビザライン矯正中の口臭は予防できます。口臭予防の方法は次の通りです。
飲食の時にはマウスピースを外す
インビザライン矯正を開始した時に、食事の際には必ずマウスピースを外すように指導されているでしょう。
しかし、矯正期間が長くなってくると、少しだけなら問題ないと考えてマウスピースを外さずに飲食をする方がいます。マウスピースをつけたまま飲食すると、飲食物がマウスピースにあたって細かい傷がついたり、マウスピースと歯の間に食べかすが入り込んだりします。
マウスピースについた傷に糖分が入り込むと、細菌が繁殖して口臭がきつくなるでしょう。マウスピースと歯の間に食べかすが入り込むと、口臭だけでなく虫歯や歯周病の原因にもなります。
そのため、飲食時にはマウスピースを必ず外しましょう。
マウスピースをしっかり洗浄する
マウスピースを外した後はしっかりと洗浄しましょう。インビザライン矯正は1日20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。
汚れた状態で長時間マウスピースを装着していれば臭いの原因となるため、外したタイミングで丁寧に洗浄しましょう。
流水でさっと流すのみでは汚れは落ちません。指でこすったり毛の柔らかい歯ブラシを使ったりして丁寧に汚れを落としてください。硬い歯ブラシを使ったりごしごしこすったりすると、マウスピースが傷つく可能性があるので注意してください。
「水洗いや柔らかい歯ブラシでこすっただけでは、汚れが取れているか不安」という方は、マウスピース専用の洗浄液を使ってください。に目に見えない汚れを落とせるので、より清潔に保てるでしょう。
唾液の分泌を促す
乾燥によって口臭がきつくなっている場合には、唾液の分泌を促して口の中を潤すことで改善できるかもしれません。本来、唾液の分泌を促すためにはガムを噛むことが有効とされていますが、インビザライン矯正中はガムを噛めません。
耳下腺や舌下腺をマッサージして刺激し、唾液の分泌を促しましょう。顎の下に舌下腺、耳の下あたりに耳下腺があり、ここを刺激すれば唾液の分泌を促せるといわれています。
洗口液を使う
洗口液は、口の中をきれいにしたり口の中を潤したり、さまざまな効果が期待できます。歯を磨いても口臭が残っている気がするという方は、洗口液もケアに取り入れましょう。
ただし、洗口液だけで口腔ケアを完了させるのは避けてください。歯に付着した歯垢は、歯ブラシによるブラッシングでなければ落とせないでしょう。
ブラッシング後など、補助的に洗口液を使用してください。
歯科医院で口の中の状態をチェックしてもらう
インビザライン矯正ではなく、口腔内のトラブルが口臭の原因である可能性もあります。口臭がきつくなったと感じる方は、歯科医院を受診して口腔内をチェックしてもらってください。
虫歯や歯周病は口臭の原因となるほか、病状が進行するとインビザライン矯正を中断して治療する必要があります。早めに対処すれば矯正治療への影響を最小限に抑えられるでしょう。
また、歯のクリーニングをしてもらうことで、普段自分では落としきれない汚れもきれいに落とせます。
口腔内に問題がないのに口臭が発生している場合は、身体の病気の影響の可能性があります。口臭が気になるときはまずは歯科医院を受診し、口内の状態を確認してもらうとよいでしょう。
まとめ
インビザライン矯正中は、矯正器具や歯の清潔を維持できていないと口臭の原因となります。そのため、インビザライン矯正中は特に意識をして歯を磨いたり、マウスピースをきれいにしたりしましょう。
また、インビザライン矯正ではなく、虫歯や歯周病、全身の病気が口臭の原因になっている可能性もあります。歯磨きなど口の中のケアを念入りに行っていても口臭が改善されないという方は、なるべく早く歯科医院を受診して口の中の状態をチェックしてもらいましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。