インビザライン・ファースト後のリテーナーの重要性と正しい使い方

こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。

インビザライン・ファースト後に使用するリテーナー

矯正治療を終えた後、理想の歯並びを保ち続けるためには、後戻りを防ぐことが最も重要です。後戻りとは、矯正を終えたあとの歯が元の位置に戻ろうとする現象です。

本記事では、後戻りが起こる原因や予防方法、リテーナーの役割について詳しく解説します。矯正治療の成果を長く保つために、ぜひ参考にしてください。

リテーナーの役割

リテーナーを装着する子ども

リテーナーは、矯正治療終了後の歯並びを安定させる目的で使用する装置です。

矯正時に歯が移動する過程では、歯を支える骨の吸収・再生が起こるため、治療直後は骨が柔らかく不安定な状態です。また、歯を支える組織は以前の位置を記憶しているため、自然と元の位置に戻ろうとする後戻りと呼ばれる現象が起こります。

リテーナーは、不安定な歯をしっかり固定し、新しい歯並びを維持するために使用します。

矯正後の後戻りとは

矯正後の後戻りを防ぐためリテーナーを装着する子ども

矯正治療が終わった後でも、歯が元の位置に戻る後戻りという現象が起こることがあります。この原因は、歯やその周りの組織の生理的な特性です。

歯は、顎の骨と歯周靭帯によって支えられています。矯正治療で新しい位置に移動させた歯周靭帯が、完全に馴染むまでには時間がかかります。その間、歯周靭帯は歯を元の位置に戻そうとする力を発生させるため、治療後の初期は後戻りが起きやすいのです。

さらに、矯正治療前の歯並びは、舌や頬の筋肉の力に適応して作られています。矯正後もこれらの筋肉が元の状態を維持しようとするため、歯を元の位置に引き戻す力が働きます。新しい歯列で筋肉のバランスがとれるようになるまで、後戻りのリスクは高いと言えるでしょう。

後戻りを防ぐには、歯の位置を安定させるために取り組まなければなりません。

インビザライン・ファーストの治療後に後戻りすることはある?

インビザライン・ファーストの治療をする子供

インビザライン・ファーストは、6〜12歳ごろの混合歯列期のお子さまを対象とした矯正治療です。歯の位置の調整と顎の拡大を同時に行えることが大きな特徴で、歯が並ぶスペースを確保しながら歯並びを整えるため、後戻りのリスクは低いとされています。

しかし、必ず後戻りしないというわけではありません。原因は、装置の使用状況や日常生活の習慣などが挙げられます。

後戻りの原因

ここでは、後戻りする具体的な原因を解説します。

マウスピースの装着時間が不足している

インビザライン・ファースト治療中は、マウスピースを1日22時間以上装着することが推奨されています。食事や歯磨きの後に装着を忘れたり、意図的に装着時間を短縮したりした場合、歯に十分な力が加わらず後戻りが起こる可能性が高まります。

リテーナーの使用を怠った

治療が終了した後は、歯並びを安定させるための保定期間が設けられます。この期間中に使用するリテーナーを正しく装着しないと、移動した歯が元の位置に戻るリスクが高まります。

適応外の症例だった

顎の骨と歯のバランスが悪い場合や歯のスペース不足が顕著なケースでは、後戻りのリスクが高まります。インビザライン・ファーストの適応外である症例を無理に治療すると、治療の効果を十分に得られないだけでなく、後戻りすることがあるのです。

長期間歯並びが安定しないだけでなく、費用も無駄に費やすことになるでしょう。治療を始める前に、歯科医師による十分な診断を受けお子さまにあった治療法を選択することが重要です。

悪習癖

舌で歯を押す癖、口呼吸、爪を噛む癖などは、歯に持続的な力を加え、矯正後の歯並びを乱す原因になります。これらの癖が改善されない場合、矯正治療の効果が損なわれる可能性があります。

インビザライン・ファーストの治療後の後戻りを防ぐ方法

インビザライン・ファーストの治療後の後戻りを防ぐためリテーナーを装着する子ども

後戻りを防ぐためには、以下のような取り組みを行う必要があります。

リテーナーを正しく着用する

治療終了後、リテーナーを着用することは後戻りを防ぐための最も基本的な方法です。歯科医師の指示通りに、指定された時間や期間リテーナーを着用するようにしましょう。

リテーナー使用時のポイントは、以下の通りです。

  • 毎日長時間装着する
  • 就寝中は必ず使用する
  • 専用の洗浄剤を使い定期的に清掃する
  • 破損や変形を防ぐため丁寧に扱う

悪習癖を改善する

口呼吸、舌で歯を押す癖、頬杖、爪を噛むといった悪習癖は、歯並びに負担をかけ後戻りを引き起こす要因となります。これらの癖に心当たりがある場合は、意識して改善しましょう。

可能であれば矯正治療開始前、もしくは治療中に癖を改善しておきましょう。矯正後に癖が改善されていれば、後戻りのリスクは大きく軽減します。

また、口呼吸などの悪習癖は、口周りの筋肉がうまく発達していないことが原因で起こっている可能性もあります。この場合、MFT(口腔筋機能療法)が有効なことが多いので、歯科医師に相談してみてください。

食生活を見直す

食べ物や生活習慣も、歯並びに影響を与える要素です。例えば、ナッツやキャンディー、リンゴ、トウモロコシなどの硬い食べ物は、歯に過剰な力を加え、歯並びに影響を与える可能性があります。これらを食べる際は、小さく切るなど工夫しましょう。

歯の清潔を保つ

歯磨きやデンタルケアを徹底することも、後戻りを防ぐために重要です。歯垢や歯石が溜まると、歯周病や虫歯が発生し歯の土台が弱くなって後戻りのリスクが高まります。

フロスや歯間ブラシを使い、歯と歯の隙間の汚れをしっかり除去しましょう。定期的に歯科医院でクリーニングや検診を受け、口腔環境を整えることも重要です。

リテーナーの装着時間と期間

リテーナーの装着時間と期間イメージ

ここでは、リテーナーの装着時間と期間について詳しく解説します。

リテーナーの装着時間

矯正治療後は、リテーナーの装着時間は1日22時間以上が推奨されます。特に治療直後は歯が元の位置に戻りやすいため、長時間の装着が重要です。

装着時間を守ることで、矯正後の歯並びを安定させられます。日中や就寝時に忘れず装着することで、後戻りのリスクを減らしましょう。

リテーナーの装着期間

リテーナーの装着期間は、一般的に2~3年が目安とされています。この期間は保定期間と呼ばれ、歯並びを安定させるために欠かせません。

ただし、装着期間には個人差があるため、担当の歯科医師と相談しながら進めることが重要です。一般的には、矯正治療にかかった期間と同程度とされています。保定期間を守ることで、後戻りのリスクを最小限に抑えられます。

リテーナー装着時の注意点

リテーナー装着時の注意点として食後にリテーナーを洗浄する様子

リテーナーを正しく使用し矯正治療の成果を長く維持するためには、以下のポイントに注意しましょう。

装着時間を守る

リテーナーは、保定期間の初期に1日22時間以上の装着が推奨されます。この期間は歯が動きやすいため、装着時間を守らないと後戻りが発生する可能性が高まります。

歯科医師の指示に従い、決められた時間をしっかり守ることが何よりも大切です。

メンテナンスを続ける

食事や歯磨きの際にはリテーナーを取り外し、流水で洗浄しましょう。週に数回は専用のクリーナーを使用し、臭いや汚れの発生を防ぎましょう。

ただし、熱湯での洗浄は装置の変形につながるため避けてください。

破損や紛失への対策

リテーナーは繊細な装置のため、破損や紛失には特に注意が必要です。取り外した際は、専用ケースを使用して保管し、紛失を防ぎましょう。

万が一破損した場合は、すぐに歯科医院へ連絡し、新しいリテーナーを作成してもらうようにしてください。

その他

スポーツをする場合、コンタクトスポーツ時にはリテーナーを外しましょう。また、就寝時には装着し、朝には必ず洗浄を行う習慣をつけてください。

対応に迷う場合は、歯科医師に相談すれば適切なアドバイスを受けられます。

まとめ

歯列矯正を終え元気よく学校で過ごす笑顔の子どもたち

後戻りを防ぐためには、矯正治療後の適切なケアが重要です。リテーナーを規則正しく使用することは、歯の位置を維持するための基本です。

また、定期的な歯科医院でのチェックアップや、口腔内の健康を保つことも後戻り防止に役立ちます。生活習慣の見直しや、ブラッシング方法の改善も予防に繋がります。

矯正治療を終えた後も継続的にケアを行うことで、理想的な歯並びを長期間維持できます。

インビザライン・ファーストを検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、健康なお口=健口から健康を創り出す歯科医院として予防を中心とした歯科医療を提供しています。予防歯科や小児矯正、マウスピース矯正だけでなく、虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯、歯科ドックなども行っています。

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