こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
インビザラインは、透明なマウスピースを装着して歯を動かす治療です。歯をスムーズに動かすために、アタッチメントという突起物を歯に取り付ける場合があります。
今回は、インビザラインのアタッチメントの概要や種類、装着期間などを詳しく解説します。
目次
インビザラインのアタッチメントとは？
アタッチメントとは、インビザラインのマウスピースがしっかりと歯に固定されるように装着する突起物のことです。マウスピースをしっかりと固定することで、歯に矯正力が適切にかかるようになるのです。
歯に近い色の樹脂でできており、歯に直接接着します。歯に突起物がつきますが、アタッチメントの上からマウスピースを装着するため、アタッチメントによる違和感などはあまり感じないでしょう。
アタッチメントの主な役割は、マウスピースを固定することと、歯に矯正力を加えることです。アタッチメントを装着していない場合マウスピースが浮くことがありますが、アタッチメントはマウスピースを固定するフックの役割を果たします。
マウスピースだけでは歯を動かす力が十分でない場合に、歯を3次元的に動かす力を加えてくれるのがアタッチメントです。
インビザラインのアタッチメントの種類
アタッチメントの種類は、大きく通常アタッチメントと最適アタッチメントに分けられます。
通常アタッチメントは、状況に応じて歯科医師が設置するタイプです。最適アタッチメントは、インビザラインを作製するアライン・テクノロジー社が自動的に設置するタイプです。
それぞれ解説します。
通常アタッチメント
通常アタッチメントは、インビザライン矯正を行ううえで歯科医師が必要だと判断した場合に取り付けるものです。アタッチメントの数・形状なども歯科医師が判断して設置します。
通常アタッチメントの形状は主に3種類で、長方形・傾斜付長方形・楕円形です。
最適アタッチメント
インビザラインでは、クリンチェックという専用のソフトを用いて、治療計画のシミュレーションを行います。治療計画に沿ってマウスピースが作製されるのです。
最適アタッチメントは、治療計画を立てる際に、計画に合わせてアタッチメントの配置を決めてアライン社が作製します。口内の状態によって、主に5つの形状から選択されます。
オープンバイト用最適アタッチメント
オープンバイトという歯列不正の治療に用いられるアタッチメントです。オープンバイトは、開咬（かいこう）ともよばれ、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯にすき間が生まれる状態のことです。
上顎の前歯部分にアタッチメントを設置して、歯を挺出する（引っ張り出す）力を加えます。
ディープバイト用最適アタッチメント
ディープバイトという歯列不正の治療に用いられるアタッチメントです。ディープバイトは、過蓋咬合（かがいこうごう）ともよばれます。上下の前歯の噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯全体を覆うような状態です。
上下の小臼歯や下顎の前歯を挺出する（引っ張り出す）力を加えて、歯並びを整えます。
ルートコントロール用最適アタッチメント
ルートとは歯根のことで、歯根に力を加えるためのアタッチメントです。1本の歯に2つのアタッチメントが設置されます。
前歯のすき間を埋める場合や、傾いている歯を真っ直ぐにする場合に用いられます。
回転用最適アタッチメント
歯に回転する力を加え、正しい位置・向きに揃えるときに用いるアタッチメントです。歯列不正のなかには、歯が捻れた状態になっている場合があります。設置される歯は、主に犬歯と小臼歯です。
アンカレッジ用最適アタッチメント
矯正治療をする際、歯を並べるスペースを作るために抜歯をすることがあります。アンカレッジ用最適アタッチメントは、抜歯によってできたスペースにうまく歯を移動させるために用いられます。
前から数えて4番目の歯（第一小臼歯）を抜歯する際に利用されることが多いです。
インビザラインのアタッチメントの装着期間
インビザラインの治療期間は、一般的に1〜2年程度です。アタッチメントは矯正開始時に装着して終了時に取り外すことが多いので、装着期間は治療期間と同様でしょう。
インビザラインでは、歯を動かす治療が終わったあとに歯の位置を固定する保定期間に入ります。保定期間中はリテーナーという装置を装着しますが、アタッチメントは取り外されるのが一般的です。
すきっ歯や八重歯などの前歯を中心とした部分矯正を行う場合、歯を動かす期間は3か月〜1年程度になります。その場合、アタッチメントの装着期間も3か月〜1年程度です。
インビザラインのアタッチメントの注意点
インビザラインのアタッチメントを装着した際の注意点は、以下のとおりです。
外れた場合はすぐに受診する
アタッチメントは、一度装着したら矯正終了まで基本的につけたまま過ごします。専用の接着剤で装着するため、自分で取り外すことはできません。
外れた場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう。外れた状態で長期間過ごすと、計画どおりに矯正治療が進みません。
しっかりと着脱を行う
アタッチメントを装着していると、装着していない場合と比べてマウスピースの着脱が難しくなります。
マウスピースをしっかりと装着できていないと、計画どおりに矯正治療が進みません。マウスピースの装着が難しい場合は、歯科医院で着脱の仕方を教わりましょう。
歯磨きを丁寧に行う
インビザライン矯正は、歯磨きの際にマウスピースを取り外すことができます。そのため、基本的には清潔に保ちやすいでしょう。
しかし、アタッチメントを装着すると歯に突起物がつきます。アタッチメントを装着していない場合と比べて汚れが溜まりやすいでしょう。アタッチメント部分は、特に丁寧に磨いてください。
インビザラインのアタッチメントは痛くない？
アタッチメントを歯の表面に装着することによる痛みはありません。
ただし、マウスピースを装着したばかりのときや、新しいマウスピースに交換したばかりのときは、歯に力が加わりやすいので痛みが出やすいでしょう。
アタッチメントを装着している場合は、装着していない場合と比べて矯正力がしっかりと加わるので、痛いと感じるかもしれません。2〜3日程度で慣れる方が多いです。
マウスピースを取り外すときに痛みを感じる場合は、マウスピースや爪がアタッチメントに引っかかっているかもしれません。マウスピースは奥歯からゆっくり外しましょう。
インビザラインのアタッチメントが取れてしまったら？
アタッチメントは専用の接着剤で装着するので、基本的には取れません。万が一取れてしまった場合は、歯科医院を受診して付け直してもらいましょう。取れたまま過ごすと、計画どおりに矯正治療が進みません。
自分で付け直せるのでは、と思う方がいるかもしれませんが、必ず歯科医院で付け直してもらってください。ご自身で付け直すと適切に矯正力がかからず、意図していない方向に歯が移動するかもしれません。
まとめ
インビザライン矯正をする際、矯正治療をスムーズに進めるためにアタッチメントという突起を歯に取り付けることがあります。
アタッチメントを装着することで、マウスピースを固定する力や、歯を動かす力が強くなります。アタッチメントは、歯並びの状態によって適切なものを選択して取り付けられるでしょう。
アタッチメントの上からマウスピースを装着するので、アタッチメントによる違和感は少ないです。アタッチメントの装着は治療計画に組み込まれていることが多いので、よく確認しましょう。
インビザライン治療を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
